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角田裕毅は市街地コースでのアゼルバイジャンGPフリー走行1回目&2回目で手応えをつかんだ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅は市街地コースでのアゼルバイジャンGPフリー走行1回目&2回目で手応えをつかんだ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

14番手でなぜ?角田裕毅が「すべてがいい方向に向かっていると自信を持って言える」と豪語した理由とは?FP1でフェルスタッペン超えの6番手もFP2ではロングランに重点を置き“納得の撃沈”

 F1の今季第17戦、アゼルバイジャンGPが19日に同国の首都バクー市街地コースで開幕し、来季の去就が注目されるレッドブルの角田裕毅(25)がフリー走行1回目(FP1)で6番手のタイムをマークしながら、同2回目(FP2)では14番手に終わった。FP1で絶対的エース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)を0秒052差で上回った角田は、FP2では課題のロングランに重点を置いたことを明かした。21日の決勝を想定したトライアルに「今季のロングランで見たことのない結果を得られた。すべてが良い方向に向かっていると自信を持って言える」と上位進出へ向けての手応えをつかんだ。今日20日にフリー走行&公式予選が行われる。

 タイムを伸ばせなかった明確な理由

 それが聞いて欲しかった質問だったのだろう。
 F1公式サイトで公開されたフラッシュインタビュー。FP1でエースのフェルスタッペンを上回る6番手のタイムをマークしながら、FP2では一転して14番手に沈んだ角田は、インタビュアーから「それでもちょっと興奮しているのでは」と心境を問われた直後に、待ってましたとばかりに笑顔で即答した。
「納得できるし、今なら理に叶っている」
 なぜFP2でタイムを伸ばせなかったのか。そこには明確な理由があった。
 今日20日の公式予選をにらんでショートランに重点を置き、タイムアタックを繰り返した他車とは、対照的に、角田は1時間のセッションのほとんどをロングランにあてた。
 燃料をフルに積んだ状態で、なおかつミディアムタイヤで長距離走行を繰り返した。ショートラン用に燃料をほとんど積まず、軽量化を図ってラップタイムを競う他車よりもタイムで後塵を拝するのは承知の上だった。
 いわば決勝へ向けたシミュレーションにすえたFP2で、大きな手応えを得たからだろう。角田は「非常に良い感じだった」と声を弾ませながらこう続けた。
「僕の場合はもちろんショートランも改善していく余地がまだまだあるけど、それでもFP2ではロングランに集中していろいろと試してみた。実際には今季のロングランで見たことのない結果を得られた。今のところは本当にうまく機能している。このマシンでいかにしてロングランに臨めばいいのかが、ようやくわかってきた」
 角田はサマーブレイク中にレッドブル側と協議し、再開後に行われるレースの結果と内容で来季の去就を判断する方針で合意した。しかし、再開初戦のオランダGPは9位、前戦のイタリアGPでは13位に終わった。それでもショートランに関してはサマーブレイク前から改善の兆しを見せていた。
 ベルギーGPでは7戦ぶりに公式予選3回目(Q3)へ進出し、さらにレッドブル移籍後で最高位となる7番グリッドを獲得。ハンガリーGPのFP2では9番手につけて、マシンの不調で14番手に甘んじたとはいえ、絶対的エースのフェルスタッペンに0.306秒差をつけて初めて上回った。オランダGPのFP2では7番手につけ、5番手のフェルスタッペンに0秒317差に肉迫。イタリアGPのFP2では9番手の角田と6番手のフェルスタッペンの差は0秒192に縮まり、角田はQ3で10番グリッドを獲得している。

 

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