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アゼルバイジャンGP公式予選で角田裕毅がレッドブル昇格後最高位となる6番手(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
アゼルバイジャンGP公式予選で角田裕毅がレッドブル昇格後最高位となる6番手(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「希望が自信に変わっている」角田裕毅が公式予選でレッドブル昇格後最高位の6番手につけ表彰台の可能性を語る…6度赤旗中断&雨の大荒れレースを追い風に上位に強敵不在の好条件

 F1の今季第17戦、アゼルバイジャンGPの公式予選が20日に同国の首都バクー市街地コースで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が2戦連続で3回目(Q3)へ進出し、レッドブル昇格後で最高位となる6番手に食い込んだ。強風に雨、F1史上最多の6度の赤旗中断があった大波乱レースのQ3のラストアタックで10番手から浮上した角田は「希望が自信に変わっている」と、自身初の表彰台を狙える今日21日の決勝へ声を弾ませた。

 「Q3のラップは満足していない」

 意外な言葉は自信の表れでもあった。
 F1公式サイトが伝えたレース直後のフラッシュインタビュー。Q3のラストアタックで1分42秒143のラップタイムを叩き出して10番手から一気に6番手に浮上。レッドブル昇格後の最高位に食い込んだ角田は「ポジティブに受け止めているよ」との第一声後に胸に秘めていた本音をこう明かした。
「正直に言えばQ3のラップ自体にはあまり満足していない。もっと良い結果を期待していたからね。だた、今日はかなりカオスだったし、この手の予選では本当に何が起こるかわからない。その意味では6番手という結果は受け入れられるし、何よりも僕がこのチームに来てから獲得した最も高いグリッドになったからね」
 結果を素直に受け取らなかったのは波乱の中での6番手だったからだ。
 1回目(Q1)でウィリアムズのアレクサンダー・アルボン(29、タイ)、キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ(38、ドイツ)がクラッシュ。さらに終了間際にはピエール・ガスリー(29、フランス)とフランコ・コラピント(22、アルゼンチン)のアルピーヌ勢もほぼ同時にクラッシュ。3度に及ぶ赤旗中断でラストアタックを計測できなかった角田は、それでも12番手でQ1を突破した。
 しかし、Q2でもハースのオリバー・ベアマン(20、英国)がクラッシュして赤旗中断となる。残り1分を切った状況で11番手とノックアウト圏内にいた角田は、ラストアタックで1分41秒788を計測。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ(44、スペイン)を0秒069上回ってギリギリの10番手へ浮上。前戦のイタリアGPに続き、レッドブル昇格後で5度目となるQ3進出を果たした。
 迎えたQ3でもフェラーリのシャルル・ルクレール(27、モナコ)が、さらにマクラーレンのオスカー・ピアストリ(24、豪州)がクラッシュ。トータル6度と、F1の公式予選史上で最多の赤旗中断を数え、Q1開始前から吹いていた強風にQ3では、雨まで降ってきた大荒れの、角田が「かなりカオス」と表現した状況を味方につけた。
 角田に不満を抱かせた要因は天候や赤旗中断だけではなかった。
 角田とほぼ同じタイミングでラストアタックに出て、さまざまな悪条件を吹き飛ばす圧巻の走りでポールポジションを獲得したレッドブルの絶対的エース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)とのタイム差は1秒026もあった。
Q2での0秒533差から一気に広げられただけに、ショートランで「マックスに迫っている」と手応えを感じていた角田にとっては物足りない数字に映ったのだろう。

 

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