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角田裕毅が米国GPで13番グリッドから7位入賞を果たす(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅が米国GPで13番グリッドから7位入賞を果たす(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「来季の契約をあきらめない」角田裕毅が13番手から逆襲の7位入賞で残留に望み…メキース代表も「力強いレース」と評価…接触しかけたベアマンが激怒も「ミスはしていない」と一蹴

 F1の今季第19戦、米国GPの決勝が19日(日本時間20日)、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、来季の去就が注目されるレッドブルの角田裕毅(25)が7位入賞を果たした。13番グリッドの角田はスタート直後に、公式予選で舌戦を繰り広げた姉妹チーム・レーシングブルズのリアム・ローソン(23、ニュージーランド)ら3台を一気にオーバーテイク。その後も順位をあげて、7位だった前日のスプリント決勝に続くポイント獲得に「これが僕のすべきこと。契約をあきらめるわけにはいかない」とまだ可能性が残るチーム残留へ力を込めた。

 「今の僕にできることはやれた」

 よほどうれしかったのだろう。決勝を7位で終えた角田と担当レースエンジニア、リチャード・ウッド氏との無線会話に思わぬ人物も割り込んできた。
 レッドブルのローラン・メキース代表(48、フランス)が声を弾ませる。
「良くやった、裕毅。とても力強いレースだった。良い6ポイントになった。特に1周目の強さが特別な結果につながったよね。本当に良くやったよ」
 レーシングブルズ時代から厚い信頼を寄せてくれたメキース代表に対して、角田はちょっぴり控え目な言葉で心境を表している。
「みんなに感謝したい。今の僕にできるだけのことはやれたと思う」
 18番手から7番手へジャンプアップした前日のスプリント決勝のスタート直後の走りが再現されたような幕開けだった。
13番グリッドだった角田は、公式予選で走路妨害の有無を巡って激しく非難し合った因縁のローソンを含めた3台を一気にオーバーテイク。メキース代表らレッドブル陣営を「強い」と感服させた。
 3周目にハースのオリバー・ベアマン(20、英国)もオーバーテイク。さらに7周目には前走していたメルセデスのキミ・アントネッリ(19、イタリア)とウィリアムズのカルロス・サインツ(31、スペイン)が接触する間に7番手へと浮上した。
 その後は前走するメルセデスのジョージ・ラッセル(27、英国)との差を徐々に広げられたが、追走してきたキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ(38、ドイツ)らとのリードも守ったまま56周の決勝を終えた。
 F1公式サイトが伝えたセッション後のフラッシュインタビュー。角田は「今回もスタートは良かった」と振り返りながら、前日のスプリント決勝に続いて、ダブルで7位入賞を果たした週末に及第点を与えていた。
「最初の数周は自信を持って攻められた。ペースも本当に良かった中で、ポジションもいくつか上げられた。全体的なペースもまずまずだったと思う。改善点としては、スティント全体で少し慎重になりすぎたかもしれない。でも今週末の両レースでポイントを獲得できたのはプラスだ。これを継続的にやっていく必要がある」
 対照的に来季のレッドブル昇格が有力視されるレーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(21、フランス)は、公式予選1回目(Q1)でのクラッシュが響いて16位に終わった。
角田はサマーブレイク中にレッドブルと来季の去就について協議し、残りのレースの内容と結果で決定することで合意した。そのデッドラインは今月下旬。
「米国GPでのダブル入賞は来季残留へのアピールになったのか?」と問われた角田は「非常に重要だった」と返して、こう続けた。
「これが僕のすべきこと。レッドブルとの契約をあきらめるわけにはいかない。ただ、すべてのレースで、最初のラップであれだけのアタックができるとは思わない。より上位のグリッドからスタートして決勝を戦っていくことが今の主な焦点だ。その意味で今はショートランに集中して、予選を可能な限り改善していくつもりだ」

 

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