「本当にギリギリだった。僅差で(Q3進出は)逃したが良い兆候」角田裕毅が予選で来季シート争い“ライバル”ハジャーに僅差で遅れる11番手に終わるも強気だった理由とは?
F1のメキシコGPの公式予選が25日(日本時間26日)、首都メキシコシティのルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が2回目(Q2)の11番手で敗退した。1回目(Q1)を13番手でクリアした角田はQ2でタイムを伸ばせず、10番手(Q3は9番手)に入った来季のシートを争う姉妹チーム・レーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(21、フランス)に0秒012届かなかった。去就決定のXデーが迫る中でのQ2敗退にも角田は「本当に僅差だった。これは非常に良い兆候だ」と努めて強気な姿勢を見せた。他車の降格に伴い、26日(同27日)の決勝は10番グリッドからスタートさせる。
「今週末は全体的に改善されたと思う」
最後の最後に希望が砕け散った。
Q2の残り時間がわずかとなった状況で仕掛けたラストアタックで1分16秒816をマーク。カットラインの10番手につけていた角田を、同じくラストアタックで1分16秒737を出したマクラーレンのオスカー・ピアストリ(24、豪州)が7番手に入って上回った。角田が11番手へ後退した瞬間にQ2セッションが終了した。
直後に担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏から無線が入った。
「(Q2の)順位が確定した。11番手だ」
返す言葉がなかった角田と、10番手でQ3へ進んだハジャーとのタイム差はわずか0秒012だった。
第18戦のシンガポールGP、前戦の米国GPに続いてQ2敗退を喫した角田は、4番手でQ2を通過していたエースのマックス・フェルスタッペン(28、オランダ)とのタイム差が0秒211だった混戦を受けて、F1公式サイトが伝えたフラッシュインタビューで、努めて前向きなコメントを残した。
「少なくとも今の状況は理解できている。本当にギリギリだった。少なくともチームメイトとのタイム差は本当に、本当に僅差だった。これは非常に良い兆候だ。もっとも、100分の1秒差で(Q3進出を)逃したのは残念だったけど」
前戦の米国GPのスプリント、決勝の両方で7位入賞を果たした直後に角田は、「より上位のグリッドからスタートして決勝を戦っていくことが今の主な焦点だ。その意味でショートランに集中して、予選を可能な限り改善していく」との課題を口にしていた。
しかし、メキシコGPの公式予選でも思うようにタイムを伸ばせなかった。最初のアタックでノックアウト圏内の16番手に甘んじたQ1は、ラストアタックで1分17秒234をマークして何とか13番手でQ2へ進んだ。
Q2の最初のアタックでは1分17秒019で4番手につけた角田だったが、他車がどんどんタイムを更新してくる中で12番手まで後退。チーム側からフェルスタッペンにトゥ(スリップストリーム)を使わせる指示が出ていたラストアタックでも、前出したようにタイムを伸ばせなかった。
それでも角田はショートランにおける課題は改善されつつあると強調した。
「今週末は全体的に改善されたと思う。セッションごとにかなり安定していた点も良い兆候と言っていい。ただ、今日はQ3に進むだけの余裕がチーム全体になかった」
来季の去就に関して、8月のサマーブレイク中に角田がチーム首脳と協議して後半戦の内容と結果で判断する方針で合意。レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)は、今回のメキシコGPを最終期限に来季のオーダーを発表する考えを示していた。

