 
				阪神の岡田彰布顧問が「負け方が悪いよね。ひとつ勝って4つ負けは」と日本一逃した虎に苦言…まさかの石井大智と村上頌樹の被弾が外角球だった配球を「もの凄く嫌な感じがする」と問題視
阪神が30日、甲子園でのソフトバンクとの日本シリーズ第5戦で延長11回の大接戦の末、2-3で敗れて通算成績1勝4敗で日本一を逃した。テレビ朝日系で解説を務めた2023年の日本一監督である岡田彰布オーナー付顧問(67)は「負け方が悪いよね。ひとつ勝って4つ負けは」と悔しさを隠さずに苦言を呈した。ポストシーズンに入っても連続無失点記録を継続していた石井大智(28)、中継ぎ起用された村上頌樹(27)が外角球を被弾した配球に関しても今季リーグ優勝を果たしたリードが生かされていなかったことを問題視した。阪神は今季のソフトバンク同様に届かなかった日本一奪回をテーマに2026年のシーズンを戦うことになる。
「山川に火をつけた第2戦の負けが痛かった」
 まさかの光景に甲子園がざわめきに包まれた。
 2点リードで迎えた8回一死一塁。石井が、柳田の外角低めに投じた初球の150キロのストレートをレフトポールを巻くようにスタンドに放り込まれたのだ。痛恨の同点2ラン。今季レギュラーシーズンで50試合連続無失点のプロ野球記録を樹立、クライマックスシリーズ、日本シリーズでも6試合連続で無失点を続け、セットアッパーからストッパーに“昇格”していた石井の“ゼロ神話”が、絶対に負けられない大事な局面で崩れた。失点は4月4日の巨人戦以来、被弾は23年7月13日の横浜DeNA戦で牧に打たれて以来、2年ぶり。石井は両膝に手をやり、しばらく上を向くことができなかった。
 中継でゲスト解説した岡田顧問は「真ん中ちょっと外くらいでしょう。もう忘れないと。同点だから、こっからですよ、勝負は」とネット裏から激励。さらにこう続けた。
「シーズン中なら(石井が出れば監督は)座っているだけでいいが、これが日本シリーズ。やっぱり2点じゃダメ。ああいう1番がいてると怖いね。あそこをホームラン打たれたらしょうがない。どこに投げるんですか?ってなるよね。ただ、いいコースにいっているから、狙いやすいもあるんだけどね」
 最も被弾のリスクが少ないとされるアウトロー。だが、岡田顧問が言うように柳田のような一流打者は、甘い球ではなく、そこに投げてくると踏んでその球を狙う。しかも、その150キロのストレートはシュート回転していた。ポストシーズンに入って7試合目の登板。しかも回跨ぎなどもしてきた。タイガース、ホークスの両球団のOBで評論家の池田親興行氏は「連投の疲れはそりゃ出ますよ」と指摘した。
 さらに悲劇は延長11回にあった。藤川監督は延長10回からシリーズ第1戦に先発し、115球を投げていた村上を中4日で投入した。
 2イニング目の延長11回に入った先頭の野村へカウント2-2から外角低めに投じた148キロのストレートだった。今度も逆方向。快音を残した打球はライトスタンドの最前列に飛び込んだ。
「ああ入った…。風もなあ」
 岡田顧問も放送席で絶句した。10月に入ると本来はライトからレフトへ向かって吹く甲子園の浜風が、逆にレフトからライトへ吹く。
 岡田顧問は「石井のためにも阪神は絶対に負けられない」と、その裏の逆転に願いを込めた。6番手の松本裕から先頭の佐藤が四球を選び、藤川監督は、その4番打者に代走植田を送ったが、大山、木浪、高寺が凡退。ソフトバンクの小久保監督が9度宙に舞った。
 岡田顧問は、勝てなかった日本シリーズをこう総括した。


 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							