「大谷翔平はドジャースが敗れてもワールドシリーズMVPを獲得する可能性があるのか?」米メディアが異例の検証記事…ゲレーロJr.が最有力も過去に一度だけ例が
ドジャースが2勝3敗で王手をかけられたブルージェイズとのワールドシリーズ第6戦が今日31日(日本時間11月1日)、敵地のトロントで行われる。崖っぷちのドジャースの頼みの綱は、今シリーズで打率.316、3本塁打、5打点の成績を残している大谷翔平(31)。だが、米メディア「クラッチポイント」は「大谷翔平はドジャースが敗れてもワールドシリーズのMVPを獲得する可能性はあるのか?」との異例の検証記事を掲載した。
敗戦チームからのMVP選出は65年前の一度きり
崖っぷちに立たされたドジャースが敵地での第6戦に挑む。先発は第2戦で完投勝利をマークした山本由伸。しかも、ポストシーズンではカート・シリング以来24年ぶりとなる2試合連続の完投勝利をあげるなど絶好調の山本にすべてを託すことになるが、ワールドシリーズでのチーム打率が1割台と絶不調の打線がどこまで援護できるかがカギを握る。その頼みの綱は、ここまで打率.316、3本塁打、5打点、7四球の成績を残している大谷だ。
しかもブルペンにも不安が残るとあって、米「ドジャーブルー」によると前日会見でデーブ・ロバーツは「当日にどんな状況で球場にくるか次第」としながらも、第6戦のリリーフ登板、第7戦の先発、第7戦での中継ぎ&外野起用」まで大谷をフル活用する可能性を示唆した。
「明日(第6戦)は山本が先発するし、チームとしては、失点を防ぐ面でも、得点を生み出す面でも、できる限りのことをしていく。明日(第6戦)は外野起用はないが、どんな可能性も(大谷と)話し合う。第7戦までいけば、あらゆることを検討するつもりだ」
先発登板後にDHで継続出場できる「大谷ルール」は、DHでスタートして中継ぎ登板したケースでは再びDHに戻れない。中継ぎ降板後に継続出場するには外野へ回るしかないが、その可能性させロバーツ監督は示唆したのである。
だが、たとえ第6戦に勝ち対戦成績を3勝3敗に戻したとしても第7戦も敵地で戦わねばならずドジャースが不利の状況は変わらない。
ドジャースが負けると想定したのか、米メディア「クラッチポイント」は「ドジャースが負けたとしても大谷翔平がワールドシリーズMVPを取ることはあり得るのか?――可能性は低いがまったくのゼロではない」との見出しをとった異例の検証記事を掲載した。同記事によると、ワールドシリーズで敗れたチームの選手がMVPを獲得したのは過去に一度しかないという。それは1960年のヤンキースとパイレーツのワールドシリーズで、第7戦までもつれこみ、9-9で迎えた9回にビル・マゼロスキーの球史に残るサヨナラホームランでパイレーツが世界一となった。しかしMVPは、そのマゼロスキーではなく、ヤンキースの内野手のボビー・リチャードソンが選ばれた。
リチャードソンは、打率.367、OPS1.054、本塁打1本、12打点という成績を残していた。同記事は、大谷がチームが敗れてもMVPを獲得する条件として「大谷が投打の“二刀流”であることは有利に働くがMVPを手にするためには、ブルージェイズ側に突出したスター選手が出ずに非常にバランスの取れた攻撃で終わること」をあげた。

