角田裕毅はブラジルGPで大逆転残留のきっかけをつかめるのか?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅はブラジルGPで大逆転残留のきっかけをつかめるのか?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「狂気の週末に挑む」角田裕毅はブラジルGPで“大逆転”のレッドブル残留をアピールすることができるのか?

 残り4戦に来季のF1への生き残りをかけるレッドブルの角田裕毅(25)が、7日開幕の次戦ブラジルGPに向けての意気込みを語った。当日は荒天予報。角田は雨に見舞われた昨季のブラジルGPの公式予選で自己最高位の3番グリッドを獲得した経験を踏まえて「狂気の週末になるかもしれないが、天候が予期せぬ事態を招くこともある」とその再現へ自信を見せた。コンストラクターズ選手権で2位を目指すチームへ貢献、そして5年連続のドライバーズ王者獲得を狙うエースのマックス・フェルスタッペン(28、オランダ)を援護する目標を掲げた。

 昨年は公式予選3番手の相性のいいコース

ドライバーを悩ます荒天を角田が歓迎した。
 南部サンパウロ近郊のインテルラゴス・サーキットで開催されるブラジルGPは、天候が荒れるレースとして知られる。
 7日開幕の今季第21戦でも、フリー走行1回目(FP1)とスプリント予選が行われる初日は雷雨予報。スプリント決勝と公式予選が行われる2日目は、100%の降水確率に加えて、秒速20mの突風に見舞われる予報が発出されている。
 しかし、待ち受ける荒天を角田はまったく気にしていない。英国のF1専門メディア『GP BLOG』が、ブラジルGPへ向けた角田のコメントをこう伝えた。
「ブラジルは常にエキサイティングなレースになる。そこに雨が加われば狂気の週末になるかもしれないが、天候が予期せぬ事態を招くこともある。今回も雨が影響する可能性が非常に高いが、ドライバー全員が同じ状況にある。重要なのはトラック上での時間を最大限に活用し、チームとしてどのように対処していくかだ」
 脳裏にはRB(現・レーシングブルズ)の一員として臨んだ、昨季のブラジルGPでのポジティブな記憶がある。
 初日のFP1で12番手のタイムに留まった角田は、スプリント予選でも1回目(SQ1)の18番手で敗退。翌日のスプリント決勝でも15位に終わった。公式予選は、サンパウロを襲った嵐の影響で何度か開始時刻が変更され、最終的には決勝の日の早朝に延期される異例の措置が取られた。一夜明けても雨が降り続ける中で行われた公式予選では、3回目(Q3)までに5台ものマシンがクラッシュ。赤旗中断も5度を数える大荒れの展開をものともせず角田はそれまでの自己最高位だった6番手を更新する3番グリッドを獲得。佐藤琢磨、小林可夢偉に次いでF1公式予選で3位以内に入った3人目の日本人ドライバーになった。
 決勝でも序盤は3番手をキープし自身初の表彰台も期待された。だが、セーフティカーと赤旗中断のタイミングが合わず7位に終わり「赤旗が出なければ、恐らくトップに立てた」と悔しさを露にしている。
 ただ一時は表彰台も見えた経験から今回のブラジルGPに向けて「予期せぬ事態を招くこともある」と発言しただろう。
 前々戦の米国GP、前戦のメキシコGPで手応えを得たと自信をのぞかせる角田は、前出の『GP BLOG』でさらにこんな言葉を口にした。

 

関連記事一覧