「なぜ巨人は桑田真澄を退団させたんだ?不思議でならない」重鎮OBが巨人のコーチ人事にモノ言い…「むしろヘッドにすべきだった」
巨人が新しいコーチング体制で秋季キャンプから王座奪回へ向けて始動しているが、重鎮OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)が桑田真澄2軍監督(57)の退団に“モノ言い”をつけた。ヘッドコーチを置かずオフェンス、ディフェンス、バッテリーの3部門に統括コーチを配置する体制に変わったが、「むしろ桑田をヘッドコーチにすべきだった」と意見した。
「阿部は1番自分が野球を知っていると勘違いしている」
「なぜ桑田が退団することになったんだ?不思議でならない」
新体制でスタートしている3年目の阿部巨人のコーチ人事に広岡氏が疑問を投げかけた。
フェニックスリーグで指揮を執っていた桑田2軍監督の退団が、10月28日に電撃発表され、翌日に新コーチングスタッフ、11月4日に横浜DeNAを退団した石井琢朗氏の2軍監督就任が発表された。
桑田氏は2021年に当時の原辰徳監督の要請を受けて1軍投手チーフコーチ補佐として現場復帰し、投手チーフコーチ、ファーム総監督を経て2024年から2軍監督を務め、今季はイースタンリーグで優勝を飾っていた。退団の詳しい経緯は明らかになっていないが、スポーツ各紙の報道によると、桑田氏は「1軍が優勝できなかったことの責任」を退団理由にあげており、球団からのフロント入り打診も固辞したという。
その一方で、阿部慎之助監督との「野球観の違い」に端を発した事実上の解任と見る向きもある。
「巨人の問題は、教えることのできるコーチが揃っていないこと。その中では、桑田は早稲田の大学院で勉強をしたり、選手に寄り添って教えることのできる数少ない優秀な指導者だと私は見ていた。彼にはコーチの資質として重要な人間味がある。山崎は出てきたが、赤星や井上が伸び悩み、ピッチャーを育てることが、巨人の大命題なんだから、桑田の役割は大きかったはずだ。おそらく自分から辞めたのではなくフロントに切られたのだろう。フロントは何もわかっていない」
広岡氏は、桑田氏のメジャーでプレーした野球理論や2008年を最後に現役引退後、早大の大学院で勉強し、東大野球部の特別コーチも務めるなどしてきた経験、そして選手の声に耳を傾ける姿勢を高く評価していた。
そして「むしろ桑田をヘッドコーチにすべきだった」とも主張した。
阿部慎之助氏が、監督就任後、この2年間は二岡智宏氏がヘッド兼チーム打撃コーチを務めていたが、二岡氏も退団、来季からは、1軍から3軍まですべてにヘッドコーチ、総合コーチを置かず、オフェンス(打撃と攻撃の戦略・戦術)、ディフェンス(守備と走塁)、バッテリー(投手と捕手)の分野にそれぞれを統括するチーフコーチを配置する体制に刷新された。1軍のオフェンスチーフコーチは、橋上秀樹氏、ディフェンス同コーチが川相昌弘氏、バッテリー同コーチが村田善則氏、投手同コーチが杉内俊哉氏となっている。

