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物凄い肉体だ(写真は山口裕朗による事前撮影)
物凄い肉体だ(写真は山口裕朗による事前撮影)

「(中谷潤人と)どっちが強い?(競演には)そういう見方もある」12.27サウジ決戦へ井上尚弥がファン煽るも「本番は来年。そこで勝負は決まらない」…挑戦者ピカソは「役不足じゃない」

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)が13日、横浜の大橋ジムで、12月27日にサウジアラビア「The Ring V: Night of the Samurai」で防衛戦を行うWBC同級2位アラン・ピカソ(25、メキシコ)戦に向けての公開練習を行った。2試合ぶりにKO宣言をした井上は、実力差を指摘されるピカソ戦に「役不足とは考えていない」と油断はなく、那須川天心(27、帝拳)を判定で下してWBC世界バンタム級王者となった弟の拓真(29)の戦いに刺激を受けたことを明かした。また同興行では来年5月に東京ドームで戦う予定の中谷潤人(27、M.T)が登場。ファンに比較を煽りながらも「本番は来年。そこで勝敗が決まるわけではない」と発言した。来週に離日する予定だ。

 天心に勝った拓真から受けた刺激「抜け殻になると思ったが…」

 そのビルドアップされた肉体はモンスターではなくまるでサイボーグだった。1ラウンドのミット打ちでは、最後の10秒でとてもスーパーバンタム級とは思えぬ威力満点の右ストレートを続けて何発も打ち込み、太田光亮トレーナーが悲鳴をあげた。これを食らえば、ピカソはひとたまりもないだろう。
 上半身を脱いで何度もマッスルポーズを取りカメラマンにサービスした。17日に堤聖也と戦うノニト・ドネアは前日の公開練習でカメラに向かって吠えたが、それをリクエストされるとさすがに遠慮。「凄い身体だ?」と声をかけると「これが年間4試合戦えてる理由ですよ」と豪語した。
 大橋秀行会長は、「背中が大きくなっている。5階級制覇かな」と、すでにフェザー級転級への肉体の準備進んでいることを示唆した。
 先日、米専門サイト「ボクシングニュース24」が「年間4試合で披露が蓄積している。5歳は老けて40歳に見える」と、このサウジでの試合が今年で4試合目となることへの懸念を示した。この記事が日本でも引用、転載されSNSで波紋も広げた。
 だが、井上は一笑に付した。
「このスパンがすごく心地がいい。戦うことが好きなので間隔を空けずに常にこの緊張感と張り詰めた空気が、非常に心地よく、年4試合は、自分にとって苦ではなくて、成長できた1年」
 大橋会長も試合のダメージがないことを年間4試合が可能になった理由として説明。「老けた?」の指摘に「凄くお肌のケアをしている」というエピソードで笑いを誘った。
 公開練習では弟の拓真を相手に兄弟王者同士の豪華なマススパーリングも披露した。もちろんパンチを当てないスパーリングだが、フェイントでプレスをかけ、細かなステップで追うなど、パウンド・フォー・パウンドのスキルを惜しげもなく見せた。
 井上は天心とのWBC世界バンタム級王座決定戦に挑む拓真を全力でサポートした。自分の練習時間を少しだけずらして、拓真の練習を常に見守り、助言を与え、公式会見にまで顔を出して、天心に睨みをきかせた。その拓真は天心に1、2ラウンドは奪われるものの、3ラウンドから切り替え、ほぼワンサイドでポイントアウトした。
 その拓真の天心撃破に刺激をもらったという。
「刺激はすごく受けましたね。自分のトレーニングもしっかりやりながら拓真のトレーニングにも付き合いながらやってきた、正直、拓真が勝った瞬間、気持ち的に抜け殻になるのかなという気持ちもあったんですけど、逆に刺激を受けて、次の日の練習が凄く調子が良くて逆にモチベーションというか、気合いをもらった」
 9月14日のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)戦後にすぐに拓真のサポートを始めたことで共に走り込み合宿を行うなどハードワークに入れた。試合間隔が3か月しかない中で「すごく自分のプラスだった」と振り返った。
 天心戦に勝因ついて「拓真と父が作戦を立てて挑んだ結果。それを拓真も実行できた。実行するためのトレーニングもしっかりと積んだところが一番大きかった」と分析している。
 練習の質に問題があり、そこが尚弥との違いでもあった拓真が、真吾トレーナーが納得するレベルまで自らのリミットを解除して突き詰めた準備を勝因にあげた。
 この日の朝も、一緒にロードワークをして、その話になり「お前、今まで何やっていたの?」と話したという。
「でも遅くはない。気づいたことに。この次に拓真はビッグマッチ控えていると思うが、天心戦でやったトレーニングをベースに、それ以上という気持ちで臨むと思う。まだまだ伸びしろは凄くあるんじゃないか」
 弟の姿を見て自分のポテンシャルにもまだ限界がないと再確認した。 
 拓真へのエールは自らへの叱咤激励でもあった。

 

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