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女子ノーマルヒルで銅メダルを獲得した丸山希(右)を高梨沙羅ら日本のメンバーが祝福した(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
女子ノーマルヒルで銅メダルを獲得した丸山希(右)を高梨沙羅ら日本のメンバーが祝福した(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

「僅差になると…」銅メダル丸山希が惜しくも金、銀に届かなかったポイントはどこに?ラージヒルでの金メダル可能性は?

 ミラノ・コルティナ冬季五輪のスキージャンプの女子ノーマルヒルが7日(日本時間8日)、プレダッツォ・ジャンプ場で行われ、丸山希(27、北野建設)が銅メダルを獲得した。女子スキージャンプでのメダルは2018年の平昌五輪で高梨沙羅(29、クラレ)が銅メダルを獲得して以来、2人目の快挙。金メダルを獲得したアンナオディネ・ストロム(27、ノルウェー)とはわずか5.5ポイント差(飛距離換算で約2.7m)だった。メダルの色の違いを分けたポイントはどこにあったのか。また高梨は13位で入賞を逃した。まだ混合団体のメンバーは決定していないが、丸山と高梨は10日に混合団体、15日に女子ラージヒルを控えている。

 「初日にメダルを獲れると思わなかった」

 運命の2回目を丸山は3位で迎えた。
「To Beatのラインが1本目よりも2本目は落ち着いて見えていたので確信して飛べた」
 「To Beat」とは、トップに立つための目安の距離。この時点で「97.5m」と表示されていた。1回目で97mをマークした。このジャンプ台特有の追い風は1回目の-1.23m/sより収まっていて-0.48m/s。超えることは可能なラインだった。丸山のジャンプはK点を越えた。 
 100mの大ジャンプ。しかも、近年重要視されているテレマークも決めた。飛型点は17.0点が3人。計261.8点で2人を残してトップに立ちメダルを確定させた。丸山はガッツポーズ。先に2回目を終えてランディングゾーンで待ち構えていた高梨沙羅、伊藤有希、勢藤優花と抱き合い、喜びを分かち合った。
「のぞみ(希)ちゃんが銅メダルを獲る姿を間近で見れて凄く幸せな気持ちになれた」
 高梨の言葉が涙を誘う。
 丸山にも「1本目より良いジャンプができたかなと思います。ノーマルヒルは、僅差になると思っていた。積み重ねてきたものが今日の2本目に出せて良かった」との手応えがあった。
 あとは待つだけだった。
 残る2人が丸山を越えなければ金メダルが手に入る。
 だが、1回目でミスをしていたワールドランキングで2年連続総合1位を獲得している“絶対女王”のニカ・プレブツ(スロベニア)は、飛距離が、99.5mだったものの、綺麗に決めたテレマークが18.0点が2人、17.5点と高く評価され、計266.2点で丸山を抜き去った。
 ここで2位。
 さらに1回目トップのストロムが101.0mの大ジャンプ。テレマークも決めて計267.3点で、1位に躍り出て金メダルを確定させ、丸山は銅メダルとなった。
 それでも日本人女子ジャンパー2人目の快挙。誇れる銅メダルだ。
「苦労した4年間だったのでまさか初日で取れると思ってなかったんですけど、ノーマルヒルで銅メダル取ることができて凄く嬉しいです」
 フラッシュインタビューに笑顔で答えた。
 金候補だったにもかかわずノーマルヒルでのメダルを想定していなかったのは意外な発言だ。
 しかし、ジャンプ競技の取材歴が長く詳しいスポーツライターの岩瀬孝文氏は、「ノーマルヒルは僅差の勝負になり、ちょっとしたミスで順位が変わることから接戦になります。そうするとチャンスが少ないかなと謙虚に構えていたようです。強気になり過ぎると力む。ジャンプはサッツ(踏切り)や空中姿勢などの力みが最大の敵でミスにつながります。そうならないように、メダルを意識しない、この思考は正解で、丸山選手らしい考えでした」と分析した。
 さらに丸山が2回目のジャンプで「1本目は若干サッツが遅れたが、追い風の感覚がつかめたので、2回目はよりアプローチの腰を低くしていました。サッツの爆発力を蓄え、タイミングを合わせ、スムーズに切ることができた。空中で推進力もあり、姿勢にブレがなくテレマークも丁寧でした」と修正を加えていたことを指摘した。

 

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