米メディアも女子ビッグエア村瀬心椛の“逆転”金メダルを「ビッグトリックを使わなくても男子に続く快挙達成」と絶賛
ミラノ・コルティナ冬季五輪のスノーボード女子ビッグエア決勝が9日(日本時間10日)に行われ、村瀬心椛(21、TOKIOインカラミ)が大逆転で今大会の日本人選手で2人目、スノーボード女子では史上初の金メダルを獲得した。村瀬は暫定3位で迎えた最後の3本目で、フロントサイドトリプルコーク1440(4回転)の大技を完璧に決めて歓喜の涙を流した。女子で初めて成功させている1620(4回転半)を封印して頂点に立った村瀬を、米放送局『NBC Sports』は「ビッグトリックを使わなくても男子に続く快挙を達成した」と技の完成度の高さと美しさを称えた。
「やるしかない、という覚悟で挑みました。絶対に勝ってやる、と」
着地した直後に右手を夜空へ誇らしげに掲げた。
完璧な手応えがあったのだろう。暫定3位で迎えた最後の3本目。踏み切り時のスピード、高さ、そして空中での回転数を華麗に融合させたフロントサイドトリプルコーク1440(4回転)の大技を決めた村瀬は、今度は両手で頭を抱えたままコース奥のフェンス手前で座り込んだ。この時点ですでに涙腺を決壊させていた。
「やるしかない、という覚悟で挑みました。絶対に勝ってやる、と」
競技後のフラッシュインタビューで最後の技に挑む前の心境を明かした村瀬は、この時点でゾイ・サドフスキシノット(24、ニュージーランド)を抜いてトップに立った。そして最後の競技者、ユ・スンウン(18、韓国)が大逆転を狙った1620の着地で失敗した瞬間に、スノーボードで日本女子初の金メダリストになった。
17歳100日で臨んだ前回北京大会のビッグエアで銅メダルを獲得。ィギュアスケートの浅田真央さんを抜いて冬季五輪の日本女子最年少メダリストになった村瀬は、快挙を喜びつつも「銅メダルでは終われない」と悔しさものぞかせていた。
だからこそ、授与された金メダルの重さは別格だった。
「もうめちゃくちゃ輝いて見えて。銅メダルも重たかったんですけど、金メダルはちょっと違うというか、今まで頑張ってきたものがすべて詰まっているような重みがあって、首にかけられたときは本当に鳥肌が立つような感じでした」
感無量の表情を浮かべた村瀬は、メダルの色を争ったサドフスキシノットやユ・スンウン、そしてともに決勝に進んだ岩渕麗楽(24、BURTON)と鈴木萌々(18、キララクエスト)、深田茉莉(19、YAMAZEN)たちの手で胴上げされている。フラッシュインタビューではライベルたちへ感謝するのも忘れなかった。
「みんなから『尊敬している』とか『本当にすごいね』と祝福されましたけど、みんなが頑張っている姿を見て私も頑張ろうという気持ちになれるので」
今年1月に開催されたエクストリームスポーツの祭典、Xゲームズで村瀬は女子で史上史上初の1620(4回転半)を成功させた。しかし、踏み切りまでの距離が短いと指摘される今大会では超難度の大技をあえて封印した。
それでも金メダリストになった村瀬を、米放送局の『NBC Sports』は「米国勢は誰も決勝に進めなかった」と嘆き節を入れながら称賛した。

