「マリニンも人間だった」なぜフィギュアで“4回転の神”や銀メダル鍵山優真もミスを連発させる大波乱が起きたのか…「クオリティが高いからこそ演技構成点が下がらずメダルを獲得できた」
ミラノ・コルティナ冬季五輪のフィギュアスケート男子シングルフリーが13日(日本時間14日)に行われ、鍵山優真(22、オリエンタルバイオ・中京大)が2大会連続の銀メダル、初出場の佐藤駿(22、エームサービス/明大)が銅メダルを獲得した。日本男子のダブルメダルは3大会連続。金メダルの大本命のイリア・マリニン(21、米国)は3つの4回転を失敗して1回転に終わるという大きな失敗があり、まさかの8位に終わった。
マリニン「具体的な原因はわからない」
大波乱だった。
マリニンの前に演技した鍵山は、冒頭の4回転サルコーの着氷が乱れ、立て直せないまま、初めてプログラムに入れる予定だった4回転フリップで転倒した。さらに後半の4回転トゥループもバランスを崩す。コレオシークエンスに入る前にはつまづいた。演技を終えても笑顔はない。176.99点をマークして、計280.06点で、この時点で暫定2位につけるも、思わず両手で顔を覆った。
「団体ショートから、個人フリーといい気持ちで臨めた。この場を楽しんで迎えられた。自分の全部が詰まった試合だったと思う」
鍵山が金メダルを獲得する条件だったノーミスをクリアできなかったことで、金メダルが保証されたも同然だった最終滑走のマリニンにも、まさかの異変が起きた。
最初の4回転フリップこそ、4.71もの加点をもらう素晴らしいジャンプだったが、五輪に入って初めて挑んだ4回転アクセルに失敗。回り切れず1回転になった。4回転ルッツは成功するものの続く4回転ループがダブルループになってしまう。さらに得点が1.1倍となる後半最初の連続ジャンプも、4回転ルッツで転倒。会場からは「頑張れ」の声援が起きるほどのドタバタぶり。続く連続ジャンプは成功させたが、最後の4回転サルコー+トリプルアクセルの連続ジャンプが、ダブルサルコーだけとなり、しかも手をついて転倒した。
演技が終わるとマリニンは両手を顔を覆い泣き顔になった。
11点以上の基礎点を稼ぐはずの4回転のうち3発が不発。すべて基礎点が、1点台に終わったため、得点が悪いことは予想されたが、まさかの156.33点。計264.49で8位となり会場を悲鳴が包んだ。
「いい感覚ではなかった。何が起きたのかを今、理解しようとしているところだ。でも、もう終わったこと。結果は変えられない。ません。もちろん、もしできるならやり直したいと思う人は多いでしょう。4回転アクセルの失敗が、直接的な原因だったとは思わない。その後もミスが続いてしまった。具体的に何が原因だったのかはまだ分からない。今も整理している最中なんだ」
演技が終わったマリリンは困惑していた。
予定にない4回転フリップを入れるサプライズのプログラムを演じたミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)が金メダルで鍵山が2大会連続の銀。そして冒頭から4回転ルッツを成功させ、4回転フリップは回避したものの、4回転+3回転の連続ジャンプを決め、最後の3回転ルッツだけ少しバランスを崩したが、終始安定した演技を披露した佐藤が銅メダルとなり、涙があふれた。鍵山が自分のメダル以上に初出場で銅メダルを手にした佐藤を拍手で称えたシーンが印象的だった。

