
「ツノダはサイコロを振った」レッドブルの角田裕毅がマイアミGPのスプリントで6位入賞&予選10位でQ3進出を果たした理由とは?
対照的にSQ1でのコミュニケーションは最悪だった。F1の公式サイトが、角田とチームとの無線内容を詳しく伝えている。
同メディアによると、残り時間がギリギリとなった段階で、最終アタックへのゴーサインが出ない状況に、角田がまず「間に合うの」と聞いた。そのときは「間に合うよ」だった返答が、アタック直前になって次のように一変した。
「間に合わないかもしれない。アウトラップの時間を短縮する。時間がない。行くんだ。プッシュするんだ」
さらに「急げ、急ぐんだ」に変わった直後に、角田が「遅すぎるんだと」と不満を示した。前方を走りながら急減速したフェルスタッペンのマシンにも戸惑い、時間をロスした結果として、角田はチェッカーフラッグに約1秒間に合わなかった。
最終アタックができないままSQ1で敗退した角田は、チーム側に対して「何がしたかったんだよ」と不信感を募らせた。無線の向こう側からは「間に合わなかった。ガレージで話し合おう」という言葉が返ってきただけだった。
角田は「今日は僕にとって残念な日だった」と振り返り、チーム側とのコミュニケーションを向上させていかなければいけないと喫緊の課題にも言及していた。一夜明けて改善の跡が反映されたタイヤ交換は、今後へ向けて明るい兆しと言えるかもしれない。
スプリントから約3時間後に行われた公式予選では、第4戦のバーレーンGP、第5戦のサウジアラビアGPに続いてQ3進出を果たした。
1回目(Q1)を1分27秒298で、2回目(Q2)を1分26秒959で、ともに9位で通過した角田は、Q3でも1分26秒943とラップタイムを伸ばしながら10位にとどまった。今季3度目のポールポジションを獲得したフェルスタッペンとのタイム差も、Q2の0秒316から、Q3では0秒739へと広がった。
5年連続のドライバーズ王者を目指すエースドライバーと、まだまだ力の差があると、認めながらも、角田は務めて前向きな言葉を残している。
「もっと上を狙っていたので難しい部分もあるが、SQ1であれだけ走れず、バランスがわからないなかで、Q3へ進めたことはポジティブにとらえたい」
9位に入賞したバーレーンGP決勝、そして今回のスプリントに続くレッドブルでのポイント獲得を目指す決勝は、日本時間の5日午前5時にスタートする。