
やっぱり当たればメジャー級!3年ぶりの衝撃弾で巨人移籍デビューを飾ったリチャードが示した「覚醒の可能性」
「リチャードがソフトバンクで芽が出なかったのは、上下、左右の揺さぶりに弱かったのが理由。速いボールを見せられて、ボールゾーンの変化球に手を出す。あるいは、その逆で高めゾーンの速いボールを振らされるパターン。第1打席の三振は抜いたチェンジアップに手を出し、第4打席の三振もハーンに徹底的に高めゾーンをストレートで攻められての三振だった。ウエスタンなどのデータをうまく活用されたのだろう。でも、第5打席はフルカウントから外角低めのボールゾーンに誘われた中崎のフォークに手を出さなかった。これまでのリチャードなら空振りしていたボール。頭の整理ができていたんだと思う。ベンチでは、全打席で橋上秀樹作戦戦略コーチがチャート表を手に狙い球を指南していた。そのアドバイスも効果的だったのかもしれない。1試合だけでは、なんともいえないが、環境が変わったことで覚醒する可能性は見せた。おそらく阿部監督はリチャードに打率3割など求めていない。打率は2割3分、あるいは2割2分でもいいので、期待するのはここぞの場面での一発だろう。いきなりその期待に応えたし、7番に一発のある打者がいる打線は、相手バッテリーにプレッシャーを与えますよ」
リチャードは、ファームで昨年まで5年連続で本塁打王、3年連続4度の打点王を獲得するなど、そのポテンシャルに疑いはなかった。だが、1軍では結果を出せず、今季も、栗原の怪我などで「8番・三塁」で開幕スタメンに名を連ねたが、6試合で22打数2安打しか打てず打率は.091。毎試合2つずつ三振を喫し、12三振。最後は、4月4日の西武戦で、今井の前に1、2打席と連続三振に倒れ、7回には代打を送られて翌日に2軍に落とされていた。
また守備では2回にファビアンの強烈な打球に反応できず、簡単に三遊間ヒットにしてしまい、6回には代打秋山の正面のゴロをアウトにしたものの送球が少しそれるなどした。阿部監督に我慢して起用してもらうには守備の安定は必須だろう。
スポーツ各紙の報道によると、阿部監督は、リチャードについて「よい働きをしてくれた。今後も楽しみ」とコメントしたという。