
「とても不公平だ」角田裕毅が無線でチームへ“悪態”…モナコGP予選で12番手となりフェルスタッペンと違うマシンのセットへの不満を爆発か…「決勝では格好の標的に」
F1の今季第8戦、モナコGPの公式予選が24日にモンテカルロ市街地コースで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が2回目(Q2)で敗退。今日25日の決勝へ12番グリッドで臨むことになった。カットライン上の10番手でQ2終盤を迎えた角田はタイムを伸ばせず、姉妹チームのレーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(20、フランス)らに抜かれてQ3進出を逃した。レース後には角田が無線でチームに「とても不公平だ」と激怒していたことが暴露された。エースのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)とのマシンセットの違いに対しての不満を爆発させたとみられるが、角田の“悪態”でレッドブル内に不穏な空気が漂い始めた。
「何が起きたのかはわかっているが、ここで言わなくてもいい」
一発逆転をかけたアタックも、まったく届かなかった。
Q2で12番手となる1分11秒415のタイムを持っていた角田は、15分間のセッションタイムが終わる直前に最後のアタックに臨んだ。しかし、結果は1分12秒003と逆にタイムを落としてしまう。カットラインの10番手につけていたハースのエステバン・オコン(28、フランス)の1分11秒262に遠く及ばなかった。
3年連続のQ3進出を逃した角田は、フラッシュインタビューでこう語った。
「最後のアタックだけでなく、Q2全体を通して何かがおかしかった。何が起きたのかはわかっているが、ここで言わなくてもいいと思っている」
英国のF1専門メディア『F1OVERSTEER』は、Q2敗退が決まった直後に、角田が無線でチームへの怒りをぶちまけていた事実を暴露した。
「正直に言えば、とても不公平だ。こうなることはわかっていた」
無線で角田がそうチームへ不満を漏らしたというのだ。
同メディアは、「角田が何に対して怒ったのかは、正確にはわからない」としている。コース幅が極端に狭く、トラフィック(渋滞)が頻繁に発生する公道コースでアタックするタイミングに不満を募らせていた可能性もあるとしている。
しかし、角田が1分11秒415を出したタイミングは、前方にまったくといっていいほど他のマシンがいない状況だった。ならば、角田は、何に対して「不公平だ」と怒りをぶつけたのか。答えはオランダのモータースポーツ専門メディア『RacingNews365』が報じた、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)のコメントにあると見ていいだろう。
「エミリア・ロマーニャGPにおけるユウキのクラッシュは、アップデートさせた2台のマシンのパーツ構造を台無しにした。マックス(・フェルスタッペン)が優先されたなかで、ユウキのマシンは以前のセットアップに戻さざるを得なかった。この短い期間では、両方のマシンに十分な部品の生産を確保することはできない」
前戦のエミリア・ロマーニャGPの公式予選1回目(Q1)で、角田は開始早々に大クラッシュを引き起こし、アップデートされたばかりのマシンを大破させた。翌日の決勝へ向けて夜通しで修復作業が行われたが、一部には旧バージョンの部品が使用され、フロアの主要部分でスペックの不一致が生じるおそれが指摘されていた。
ヨーロッパでの連戦となるモナコGPでは部品の新たな開発が間に合わず、アップデートは5年連続のドライバーズ王者獲得を狙うエースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)が優先される。チーム内の序列を含めた構図を踏まえれば、角田が「不公平だ」「こうなることはわかっていた」と憤った理由が見えてくる。