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モナコGPで角田裕毅は1周目ピットインの奇策に打って出たが裏目に(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
モナコGPで角田裕毅は1周目ピットインの奇策に打って出たが裏目に(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「ユウキは列の中に並んでいるだけだった」角田裕毅の1周目ピットインの奇策もブロック作戦に阻まれて17位惨敗でレッドブル幹部が皮肉…「何も起こらなかった」と本人反省

 F1の今季第8戦、モナコGP決勝が25日にモンテカルロ市街地コースで行われ、12番手からスタートしたレッドブルの角田裕毅(25)が、完走した18台中で17位と惨敗を喫した。今年から2度のピットインが義務づけられた決勝で、角田は1周目でタイヤを交換する奇策を敢行したが、それが裏目となった。片山右京氏(61)と並ぶ日本人最多の95度目の出走となった決勝を不完全燃焼のまま終えた角田に対してチームの最高トップであるクリスチャン・ホーナー代表(51)は「彼は列の中で並んでいるだけだった」と批判。角田も「何も起こらなかった。これまでで最も長いレースにように感じた」と悔しさを口にした。

 姉妹チームのレーシングブルズの2人が角田より上の順位でW入賞

 決勝を終えたときには、完走した18台のなかで角田よりも下の順位には、メルセデスのキミ・アントネッリ(18、イタリア)しかいなかった。12番手からスタートした角田が17位の惨敗だ。
 皮肉なことに姉妹チームのレーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャー(20、フランス)が自己最高位の6位でフィニッシュ。角田との入れ替わりでレッドブルから降格したリアム・ローソン(23、ニュージーランド)も8位で今季初の入賞を果たした。
 レッドブルに緊急昇格して6戦目にして、クラッシュでリタイヤしたサウジアラビアGPを除けば、最悪の結果。
 F1公式サイトによると、角田は「全体的にフラストレーションが溜まる週末になった」と悔しさを口にした。
「予選であそこまで遅れをとってしまえば(12番手)、モナコでのレースで多くは期待できない。そしてこの状況を作り出したのは僕自身だ。今日はピエール(・ガスリー)に衝突された以外は、本当に何も起こらなかった。何度もトラフィック(交通渋滞)に巻き込まれた結果として、これまでで最も長いレースのように感じた。他のマシンの背後で立ち往生してしまえば、当然ながらリズムは作れない。来週末には予選を含めたすべてをまとめて、全体的にもっとうまくやれるようにしたい」
 角田は奇策に打って出た。
 道幅が極めて狭く、追い抜くポイントがほとんどない1周3.337kmの公道コースを78周するモナコGP決勝は、公式予選でほぼすべてが決まる展開が長く続いてきた。「退屈」と揶揄されるレースを変えようと、今年の決勝から2度のピットインと3種類の異なるタイヤコンパウンド使用が特別に義務づけられた。
 その規約の中で角田は、唯一、ソフトタイヤでスタートし、1周目のトンネル手前でザウバーのガブリエル・ボルトレート(20、ブラジル)がクラッシュし、バーチャル・セキュリティーカー(VSC)が導入されたなかで、いきなりピットインして、ハードタイヤに交換したのだ。コースに戻った時点で、角田は17番手に下がっていた。ただVSCが導入されている状況で、通常よりもロスタイムが少ないタイミングでタイヤを交換できたため、計算上では、実質トップ5の前後を走行している状況となった。
 だが、他チームの戦略が壁になった。レーシングブルズとウイリアムズが1台を意図的に遅く走らせて、後続のマシンをブロックする作戦を実行したのだ。
 レーシングブルズはハジャーを上位に押し上げるためにローソン、ウィリアムズは、アレクサンダー・アルボン(29、タイ)を勝たせるために、カルロス・サインツ(30、スペイン)がブロック役を担当した。

 

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