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レッドブルのホーナー代表(右)が電撃解任された。この人事が角田裕毅に及ぼす影響は?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブルのホーナー代表(右)が電撃解任された。この人事が角田裕毅に及ぼす影響は?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

レッドブルに激震!「辞める理由は何も説明されていない」ホーナー代表の電撃解任の理由と苦悩が続く角田裕毅への影響は?

 もちろんレッドブルのパフォーマンスの低迷には角田の不振も含まれている。
 今季第3戦の日本GP直前に、姉妹チームのレーシングブルズから緊急昇格。表彰台へ大きな期待を寄せられた角田は、レッドブルで10戦を終えた段階で、最高位が第4戦のバーレーンGPでの9位にとどまり、直近の5戦は入賞及び獲得ポイントはなし。オーストリアGPは18位、前戦の英国GPでは15位と完走車中で、連続最下位に終わった。
 角田への風当たりは強いが、ただでさえ扱いが極めて難しいとされる今季のマシンRB21へ適応や、マシンのアップデートを含めた開発そのものも遅れている状況を招いたチームへの責任を問う声も時間の経過とともに大きくなってきた。
 ではホーナー氏の解任とメキース氏の代表就任は、今季限りの解雇の可能性だけではなく、途中解雇の可能性さえ消えていない角田の“今後”にどんな影響を及ぼすのだろうか。
 実は、昨季終了後に優勝6度のセルジオ・ペレス(35、メキシコ)を解雇したレッドブルは、後任に姉妹チームで4年間走ってきた角田ではなく、リアム・ローソン(23、ニュージーランド)を選んだ。そのローソンを「裕毅は私たちの姉妹チームで4年間に渡って経験を積み、非常に良い仕事をしている。そのなかで私たちはリアムが短期間で成し遂げた仕事と軌跡に有望さを感じた。裕毅の将来を否定するつもりはないが、マックスのチームメイトとしてプレッシャーに対処できる特性と強さを、現時点ではリアムのほうが備えている」と推したのがホーナー氏だった。
 そのローソンは豪州GP、第2戦の中国GPで立て続けに公式予選1回目(Q1)で敗退。立ち直る兆しが見えないとしてレッドブルは角田との入れ替えに踏み切ったが、ホーナー氏は、そもそも角田をそこまで評価していたわけではなかった。レッドブル内での角田に対する評価は表に漏れてきていない。だが、そのホーナー氏がチームを去ることは角田の評価を一変させる可能性はある。
 一方で昨季からレーシングブルズの代表を務め、角田やローソンを後押ししてきたのがレッドブルのメキース新代表だった。
 特に角田は、実力を高く評価してくれた同氏のもとで、昨季は9度の入賞を達成。豪州、マイアミ、サンパウロ各GPでは7番手をマークし、ドライバーランキングでは自己最高の12位につけるとともに、今季2戦目まで好調を持続した。
 トップの交代で角田のマシンへの適応が早まるわけでも、ましてやマシンの性能が劇的に上がるわけでもない。それでもレッドブル内の空気が一掃され、メキース新代表の存在が、角田のメンタル面にポジティブな変化を与える可能性は十分にある。ここから巻き返せば、角田の今季限り解雇や、途中解雇の声が小さくなる可能性もなくはない。
 英国GPを終えたF1は“夏休み”に入り次戦のベルギーGPは25日に開幕する。F1界を激震させたホーナー氏の電撃解任は、角田個人にとっては望外の“追い風”になるかもしれない。

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