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広島の新井監督のタクトも空回り?!阪神に10連勝を許した(資料写真・黒田史夫)
広島の新井監督のタクトも空回り?!阪神に10連勝を許した(資料写真・黒田史夫)

「広島はこんな野球をやっていたら阪神に勝てない」カープが27年ぶりの対阪神戦シーズン7連敗で“セ界”の貯金独占を許した理由とは…初球エンドラン失敗と後手に回った継投策

 前出の評論家は、「防御率1点台の鉄壁のリリーフ陣が揃う阪神を意識しすぎて早仕掛けをしたんだと思う。阪神が10連勝している強さの裏には、リリーフ陣の結果でそういうプレッシャーをかけているプラスの連鎖があるのだが、逆に広島ベンチは焦らずバントで良かったと思う。そういう焦りは、選手の伝染する」と分析した。
 そして阪神ベンチは、大竹が二死からファビアン、小園に連打を許すと、モンテロの打席で湯浅にスイッチ。湯浅は縦の落差のあるスライダーでモンテロを空振りに三振に斬って取った。
 一方で対照的に6回の時点で大瀬良の球数は100球を超えていたが、広島ベンチは7回も続投させた。先頭の近本に、この日、3本目となるヒットを許して続く中野にはバントで送られた。大瀬良は森下を2球で追い込みながらも、外角へのカットボールを3球続けて右中間の大飛球を打たれた。中村奨のダイビングキャッチも届かず、タイムリー三塁打となり、ダメ押しの3点目を失うことになった。
 前出の評論家は、「大瀬良の交代に後手を踏んだ。6回坂本にヒットを打たれ、7回の打順が近本から始まると決まったタイミングで球数も100球を超えているし交代を決断すべきだった。坂本の1本のヒットがゲームの流れを阪神に持っていった展開を新井監督は投手交代で食い止めるべきだった」と指摘した。
 大瀬良は6回二死一塁から坂本にセンター前ヒットを打たれ、続く大竹は投ゴロに打ち取り、無失点に切り抜けたものの、この坂本の1本が効果的で阪神の打順の巡りを理想的にした。
 下位打線でこういう流れを作るのが、阪神の強さであり、それを断ち切れなかった広島は、ゲーム展開を好転させることができなかった。
 結局、広島は7回及川、8回石井、9回岩崎の虎の勝利方程式の前に沈黙した。8回には石井から代打大盛が右中間を破る二塁打で出塁したものの、野間が二ゴロ、代打末包、ファビアンが連続三振に倒れた。現在首位打者のファビアンは、徹底した外角攻めにファウルで粘ったが、1球内角球を見せられ、最後は縦のスライダーにバットが空を切った。
 一方の阪神は69年ぶりとなる10戦連続の2失点以下を達成している。
 スポーツ各紙の報道によると藤川監督は、10連勝の理由を「毎日丁寧に1つずつやろうとしてくれているのが一番。あとはコンディション」と説明。「ブルペンを良い状態に持って行くのがテーマ」と、最強のブルペン陣を軸に貪欲に連勝記録を伸ばしていくことへの意欲を明かした。

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