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WBA王者のバルガスが公開練習(写真・山口裕朗)
WBA王者のバルガスが公開練習(写真・山口裕朗)

7.30横浜で比嘉大吾が挑むWBA王者バルガス「弱点は修正してきた」は本当か…視察した野木トレは「肉を切らせて骨を断つ」

 野木トレーナーは煙幕を張った練習の中でも気になる点はチェックしていた。
「(距離は)近いですね。近距離での打ち合いになると危険もチャンスも同居します。やってみないとわからないですが、ジャブは大吾の方が長そうに見える」  
 バルガスは「クリーヒット」を勝敗のカギだとしたが、野木トレーナーが考えてるそれはジャブの差し合い。そこで勝てるとの確信を得たのかもしれない。
 バルガスは「フットワーク」を弱点にあげたが、野木トレーナーは「実際は見たことがないでしょう」と一笑に付した。そもそも比嘉はそこで勝負しているボクサーではない。ジャブを軸にバルガスの得意という至近距離よりもシューズ半個分外にポジショニングすることが理想なのだろう。
 この試合の勝者は、目の手術で休養王者となっている堤との団体内統一戦が義務づけられている。暫定王者には、5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)がいるが、バルガス、プロモーター共に防衛に成功すれば次が堤戦となることを認めた上で、その先の構想についてこう明かした。
「比嘉が1人目に崩さねばならない相手。ただバンタム級には日本に強い人が集中している。次から次へと日本で試合ができればいい。ゆくゆくは団体を統一したい。これから王座の統一を含めてビッグマッチをしていかなくちゃいけない」
 バルガスがそう夢を語った。
 WBC&IBF王者の中谷潤人(M.T)は王座を返上予定だが、WBO王者は武居由樹(大橋)で、那須川天心も次期世界王者予備軍だ。
 今回、バルガスは妻と7歳の娘、来月2歳になる息子を日本に帯同させなかったが「次に来る時は一緒に来日したい」という。
 比嘉は21日にスパーリングを打ち上げ、減量は残り3キロで、最終調整段階に入っている。バルガスが、練習で煙幕を張り異常なほどガードを上げるなど、これほど意識過剰になるのであれば本番になれば必ずその弱点は浮き彫りになるだろう。比嘉が空回りさえしなければ倒せるのではないか。
 運命のゴングは7月30日、横浜BUNTAIのセミファイナルだ。

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