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  • 「井上尚弥の声は聞こえていた」モンスターの幼馴染の元Jリーガー山口聖矢が東日本新人王準々決勝で判定負け…現役続行を明かし「3度目の正直」となる来年再挑戦を宣言
井上尚弥の親友で元Jリーガーの山口聖矢(左)が東日本新人王準々決勝で敗退(写真・山口裕朗)
井上尚弥の親友で元Jリーガーの山口聖矢(左)が東日本新人王準々決勝で敗退(写真・山口裕朗)

「井上尚弥の声は聞こえていた」モンスターの幼馴染の元Jリーガー山口聖矢が東日本新人王準々決勝で判定負け…現役続行を明かし「3度目の正直」となる来年再挑戦を宣言

 井上とは幼稚園からの幼馴染。互いの靴を間違えて履いて帰ったことから、意気投合して、家族ぐるみの親交がスタートした。2人は当初、同じサッカークラブに所属していたが、井上はボクシング、山口はそのままサッカーの道を進み、山梨学院高(当時・山梨学院大附属高)から関東学院大へ経、地域リーグのサウルコス福井に所属し、2017年からJ3のSC相模原で念願のJリーガーになった。
 大学時代には日本代表の伊東純也との対戦経験もある。だが、J1ではプレーできず、2018年シーズンを最後に井上の「第2の人生へ進むのならば早い方がいい」の助言で引退した。25歳だった。サッカーという生きがいを失った山口は「何か刺激が欲しい」とモヤモヤしていた。そんな親友の姿にまた「ボクシングをやってみたら」と声がけをしたのが井上だった。
 山口は28歳にしてボクサーの道に進むことを決断し、昨年は新人王にエントリーしたが、準々決勝で本多俊介(E&Jカシアス)に0-2の4回判定負けを喫していた。今年は、2度目の新人王挑戦となり、再起戦となる4月の1回戦をTKO勝利で突破、6月の2回戦でも、3-0で判定勝ちしていたが、鬼門の準々決勝でまたしても涙を飲むことになった。
 試合後には左の拳をアイシングしていた。右肩や右肘、サッカー時代からの古傷とも腰など、満身創痍の状況。それでも山口のボクシングへのチャレンジは終わらない。
「(ボクシングは)続ける」と現役続行を宣言。
 新人王への出場資格は、C級で4勝以内で、3回までとなっていて、4勝(2KO)2敗の山口には、ギリギリ出場資格があるため「また来年出るチャンスがあれば出たい。3度目の正直。何かしらの形は残したい」と、来年のラストチャンスにかける思いを明かした。
「ノビシロ?あると感じたい。6戦してある程度の距離感とか、経験値的に得られたものはある。ただ細かい部分など突き詰める部分はある。そこを周りに教えてもらいながら、また一から頑張りたい」
 まだプロキャリアは6戦しかない。年齢面から考えると、世界を狙うのは到底無理かもしれないが、自らに限界は感じていない。
 あきらめず向上心を失わないことは親友のモンスターの姿から学んできたものである。今後は「チーム井上」の一員として、9月14日に名古屋で“最強挑戦者”のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を迎え討つ井上のサポートに徹するという。

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