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角田裕毅がイタリアGPのフリー走行2回目で9番手に食い込む健闘(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅がイタリアGPのフリー走行2回目で9番手に食い込む健闘(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

角田裕毅がイタリアGPのFP2でフェルスタッペンに0秒192差に迫る9番手…躍進理由は「ソフトタイヤのグリップの大幅改善」…来季去就について新代表は「チーム内で議論していない」

 F1の今季第16戦、イタリアGPが5日に同国北部のモンツァ・サーキットで開幕し、レッドブルの角田裕毅(25)がフリー走行2回目(FP2)で9番手に食い込んだ。6番手のエース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)に0秒192差に肉迫し、来季のシートを争うとされる姉妹チーム、レーシングブルズの新人で11番手のアイザック・ハジャー(20、フランス)に0秒114差をつけた。角田は「かなりポジティブな結果だった」と手応えを見せた。また、チームのローラン・メキース代表(48、フランス)は、来季のセカンドシートを巡る角田とハジャーの”サバイバルレース”について「チーム内ではまったく議論していない」と、まだ白紙状態であることを強調した。

 来季のセカンドシート争いの”ライバル”ハジャーは11番手

 復活への手応えが角田を饒舌にさせた。
 F1公式サイトで映像が公開されたFP2後のフラッシュインタビュー。フリー走行1回目(FP1)で14番手だった1分21秒292を1秒あまり更新する1分20秒269をマーク。9番手のタイムを計測した角田は「FP1を含めて浮き沈みがあったが、FP2は特にショートランはかなりポジティブな結果だった」と言い、こう続けた。

 「ペースが非常に良かった。ただ、少しフレックス(挙動の不安定さ)が出て、その原因を探る必要がありし、思った以上に多くのグラベルを拾ってしまったのも予想外だった。少したわみがあり、それがある場合はなぜそうなるのかを突き止める必要がある。だからこそ良かった理由を突き止める必要もある。ソフトタイヤのグリップが大幅に改善したからだ。正直、あのペースであそこまでグリップが向上したのは予想外だった。しかもトラフィックが絶え間なくある中でも継続していいラップを刻めた。ショートランに関しては、引き続き掘り下げていきたい」
 常に比較対象だったチームの絶対的なエースで、FP2で6番手だったフェルスタッペンに0秒192差に肉迫した。レーシングブルズから緊急昇格した第3戦の日本GPを前にして、チームのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)から目標として課された「0秒3以内」を大きくクリアした角田の視線の先には、さらに進化した自身の姿が描かれていた。
「ソフトタイヤでのロングランについては、まだペースが不足している部分となる。ショートランとロングランのバランスを取っていく必要がある中でロングランは他車からもちょっと離されている。もう少し焦点を当てていきたい」
 そして前戦のオランダGPでルーキーながら3位に入り初めて表彰台に立つ快挙を達成したハジャーは11番手で角田は0秒114差をつけた。
 来季のレッドブルのセカンドシートを巡る強力なライバルだ。
 F1公式サイトは電撃解任されたクリスチャン・ホーナー前代表(51、英国)に代わり、7月からレッドブルの新代表に就任したメキース氏のフラッシュインタビュー映像も公開。レーシングブルズ代表時代から角田と信頼関係を築いていた同氏は、注目を集める来季のシート問題に対して次のように言及した。
「非常に面白いことに、チームの外ではこの話題で大きく盛り上がっているのに対して、チーム内では現時点でまったく議論していない。アイザックが前戦で見せた驚異的なパフォーマンスと全体的な成長に非常に満足している。同時に裕毅も直近の3戦、スパ、ブダペスト、ザントフォールトでパフォーマンスを大きく向上させている。最終的な決定を下すまでまだ数週間を要する方針であり、私たちはその間に可能な限りドライバーたちをサポートしたい。現時点では彼らにあと数レースの機会を与え、彼らが持つすべてを発揮させ、さらなる成長を求めていくのが正しい判断だと考えている」

 

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