
なぜだ?!「望みとは真逆の展開になった」角田裕毅がイタリアGP予選10番手で3戦ぶりQ3進出を果たすも空気抵抗を受ける隊列の先頭でコースインさせたチーム戦略に不満漏らす
コースインした時点で9番手につけていた角田は、隊列の先頭で最後までベストタイムを1分19秒519から更新できない。対照的にセッション終了間際に1分19秒200のベストタイムを叩き出し、7番手に食い込んだメルセデスのキミ・アントネッリ(19、イタリア)に上回られて10番手でQ3を終えた。
Q3で5番手だったフェラーリのルイス・ハミルトン(40、英国)が前戦で5グリッド降格ペナルティを科されている関係で、角田は決勝を9番グリッドからスタートさせる。
英国のモータースポーツ専門メディア『RACEFANS.NET』は、この問題を取り上げて「Q3最下位に終わった角田が、スリップストリームの欠如を嘆いた」と報じた。
「レッドブルのセカンドドライバーは3戦ぶりにQ3へ到達したが、5年ぶりにコースレコードを更新してポールポジションを獲得したチームメイトのフェルスタッペンから0秒727差の10番手に終わった。セッション後には『他のQ3ランナーのように他車のスリップストリームを得て走れていたらもっとタイム差を詰めて、さらに上位のグリッドを獲得していただろう』と悔やんでいた」
初日のフリー走行2回目(FP2)でつかんだショートランへの手応えを、角田は公式予選へも持ち込んだ。Q1ではラストアタックで1分19秒619の好タイムをマークして4番手に浮上。2番手のフェルスタッペンに0.164差と肉迫した。
Q2ではなかなかタイムを更新できず、最終的にはカットラインの10番手でQ3進出を決めた。それでもフェルスタッペンのスリップストリームに入ってマークした1分19秒433は王者と0秒293差だった。Q3のタイムが1分19秒519だから、スリップストリームの有無がいかにタイムに影響を及ぼすかがわかる。
「全体的には自分のパフォーマンスに満足している」と公式予選を振り返った角田は、こんな言葉をつけ加えた。
「ただすべてが簡単ではなかった。マシンのバランスはまだまだ乱れていて、かなり不安定だった。それでも、このチームがなぜこれほど多くのチャンピオンシップを獲得できたのかがよくわかった。エンジニアたちが協力し合い、セッションごとにこのマシンを調整していく様子は見ていて本当に驚かされた。彼らの努力を最大限に活用して、長年の目標だったモンツァでのQ3進出を果たした自分自身にも満足しているけど、その意味でもQ3のラストアタックだけはちょっと残念だった」
大きな手応えと不満を同居させながら、角田が2戦連続の入賞及びポイント獲得を狙うイタリアGP決勝は日本時間7日22時にスタートだ。