
角田裕毅に思わぬ援軍?!2016年F1年間王者が「私がハジャーの立場なら来季の昇格を受け入れない」と来季レッドブルのセカンドシート最有力候補の昇格プランに”物言い”
2021年から務めたセルジオ・ペレス(35、メキシコ)は、昨季途中に契約を延長しながら、後半戦の不振を理由にシーズン後に解雇。後任としてレーシングブルズから昇格したリアム・ローソン(23、ニュージーランド)も今季開幕からわずか2戦で見限られ、第3戦の日本GP直前に角田と入れ替わった経緯がある。
その角田も思うような結果を残せていない。第4戦のバーレーンGPにおける9位入賞が最高位のまま、第8戦のモナコGPから7戦連続で入賞及び獲得ポイントがない不振に陥った。第11戦のオーストリアGP、第12戦の英国GPではいずれも完走車中で最下位に低迷し、元F1ドライバーから激しく非難されてきた。
F1界のレジェンド、ミハエルシューマッハ氏(56、ドイツ)の実弟で、ウィリアムズで6度優勝したラルフ・シューマッハ氏(50、ドイツ)は「角田のF1でのキャリアは終わった」と断言。その根拠として「間違いなくレッドブルから脱落するし、来季に至ってはF1のシートを獲得する状況も訪れない」と厳しく指摘した。
同じくウィリアムズで通算11勝を挙げ、1997年には年間王者を獲得しているジャック・ヴィルヌーヴ氏(54、カナダ)も「現時点において、角田はフェルスタッペンの最悪のチームメイトと言っていい」と酷評している。
だが、ロズベルグ氏は、歴代のセカンドドライバーに対するレッドブル側のスタンスを非難し、間接的に角田を“擁護”した。しかも同氏がレッドブルを批判するのは今回が初めてではなかった。
前戦イタリアGPの公式予選を終えた直後。コースレコードを更新する快走でポールポジションを獲得したフェルスタッペンに対して、3戦ぶりに3回目(Q3)進出を果たした角田は0秒727差の10番手だった。ロズベルグ氏はこの結果にオランダのF1専門メディア『RacingNews365』で「不可解だ」とする見解を示していた。
「裕毅のマシンはフェルスタッペンと100%同じではないと聞いているし、そうでなければこんなにも大差がつくはずがない。彼はマシンを速く走らせる方法を熟知している。それなのに、なぜフェルスタッペンからこれほどまでの遅れを取らなければいけないのか。この問題に対する解決策を見つけられないレッドブルはクレイジーとしか言いようがない。私はあまりにも可哀想な裕毅に同情を禁じ得ない」
角田はサマーブレイク中に来季の去就についてチームと協議し、残りレースの結果と内容で去就を決める方針で合意し、再開初戦のオランダGPでは9位と8戦ぶりに入賞を果たした。だが、そのオランダGPでハジャーが3位となり、続くイタリアGPでは角田は、ローソンのマシン接触というアクデントに見舞われ13位に沈んだ。
置かれた状況が厳しくなっている中でのロズベルグ氏の擁護。19日に開幕する次戦アゼルバイジャンGPへ臨む角田にとって”追い風”となるのだろうか。