
「噂は噂に過ぎない」角田裕毅が今日開幕アゼルバイジャンGPを前に怒りを浮かべて「来季ハジャー昇格内定」の報道を一蹴…「自分のできることに集中するだけだ」
角田はサマーブレイク中にレッドブル側と協議し、再開後に行われる残り10戦の内容と結果で来季の去就を判断する方針で合意した。さらにチームのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮のヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)は去就の決定時期について「9月か10月頃には」と明言していた。
だがオランダGPは9位、イタリアGPは13位に終わり、マルコ氏の発言に沿えば、角田に残されているチャンスは最大で4戦しかない。
今日19日に開幕する第17戦のアゼルバイジャンGPを皮切りに10月のシンガポールGP、アメリカGP、最終週のメキシコGPが残っている状況でのハジャーの昇格内定の一報には、納得できない部分があったのだろう。
メディアデーでは、ハジャーにもレッドブル昇格内定の真偽を問う質問が飛んだ。F1公式サイトは、ハジャーの返答をこう伝えた。
「非常に面白い記事だと思わずにはいられなかったよ。なぜならば、僕は来季に関するどのような書類にも一切サインをしていないからだ」
ハジャーはオランダGPで3位に入って自身初の表彰台の立つ快挙を達成。イタリアGPではピットレーンスタートから追い上げて10位入賞を果たし、ドライバーズランキングで9位へ浮上して19位の角田との差を大きく広げている。
情勢は間違いなくハジャーに傾いている。レッドブル残留だけでなく、角田を来季のセカンドドライバー候補に加えていると見られるアルピーヌの関心をさらに高める意味でも、角田はアゼルバイジャンGPからの逆襲にかけている。
角田は、エースのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)の名前をあげながら、決意を明かした。
「モンツァ(イタリアGP)でQ3に進出したように、ショートランではマックスに常に接近できていた。その意味でかなり良い週末だったと思っている。課題のロングランに関しては本当に一生懸命取り組んでいるし、今週に向けても十分な準備を積んできた。僕自身は楽しみにしている。とにかくプッシュし続けるだけだ」
1周6.003kmのバグー市街地コースを舞台にするアゼルバイジャンGPと角田の相性は悪くはない。
昨季こそ公式予選2回目(Q2)で敗退し、決勝では他車との接触が響いてリタイアした。しかし、F1に参戦した2021年から3年連続でQ3へ進出し、すべてで8番グリッドを獲得。2021年は7位に、2023年には10位にそれぞれ入賞している。
今日19日は、日本時間17時30分からフリー走行1回目、同21時からフリー走行2回目が行われる。