
それウソやん?レッズ名将は「大谷翔平と真っ向勝負」の発言守らず敬遠策も「予想していた」次打者ベッツは3本の二塁打を含む4安打3打点の大爆発…山本由伸を助ける守備の“神判断”も
ヘイズの打球はショートのベッツの正面にハーフライナー気味に飛んだ。それをハーフバウンドで捕球したベッツは一瞬セカンドベースへ送球しかけたが、三塁走者がライナーを警戒してスタートを切っていないことを確認すると、すぐさまバックホーム。無得点に抑えることを選択して、三塁走者をアウトにした。
山本は、ここから連続三振。ベッツの判断がなければ、同点となり、ゲームはどう転んでいるかわからなかった。
前出の試合後会見でベッツは、このシーンの判断について説明している。
「正直、何が起きたかをよく覚えていないんだ。ただ捕球してホームへ投げたことだけは覚えている。あのような状況は初めてだし、ポストシーズンでショートを守るにも初めてだからね。状況によって判断は変わる。レギュラーシーズンならたぶんまずセカンドのダブルプレーを考えたと思う」
1勝の重みが違うポストシーズンだからこその究極の選択だったという。
「ただ体が反応したとしか言えない。ショートの守備に体が慣れてきた。ただ無心でプレーしただけなんだ」
それを無心でやってのけるのがベッツの凄さだろう。
「ノーアウト満塁だったから、正直、最少失点の1点で抑えらればと思っていた。ひとつでも三振がとれれば、無失点で切り抜ける可能性があった。ツーアウトの時点で、彼は勝機をかぎつけたんだ。アグレッシブに攻め、最後の打者も見事に三振に仕留めた」
ベッツは山本を称賛することを忘れていなかった。
MLB公式サイトなどの映像メディアが伝えた試合後の会見によると、一方のフランコーナ監督は、この大谷の申告敬遠については触れなかった。ロバーツ監督、フリードマン編成本部長らに「祝辞を述べさせて欲しい」と言い、「彼らは次へ進むにふさわしいチーム。手強いだけでなく本当に一流のチーム、そのことをまず伝えたかった」と、2日間で18点を奪われたドジャースを称えた。
だが、ドジャースがこの先どこまで勝ち進むと思うか?の質問には、明らかにムッとした様子で「わからない。私は予想は得意ではない」と返して、こう続けた。
「繰り返すが、ポストシーズンはどのチームにも勝つ可能性がある。勢いのあるチームが勝ちあがる。彼らはとてつもなくいいチームだ。ただ誤解しないでもらいたいのは、今の私に彼らについて予想する心の準備ができていないこと。それは私が考えるべきことではない」
ポストシーズン請負人と言われた名将が、ドジャースについて多くを語らなかったのは、指揮官としてのプライドであり、前言を撤回して、大谷との真っ向勝負から逃げた戦略に、少しの悔いがあったからかもしれない。