角田裕毅はブラジルGPで大逆転残留のきっかけをつかめるのか?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅はブラジルGPで大逆転残留のきっかけをつかめるのか?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「狂気の週末に挑む」角田裕毅はブラジルGPで“大逆転”のレッドブル残留をアピールすることができるのか?

「僕にとっての利点は、過去2戦においてマシンのレースペースが非常に良く感じられ、マックス(・フェルスタッペン)に極めて近いラップタイムを記録できていることだ。マシンと導入されたアップデートの両方に自信を持っているので、スプリントを含めた2度の予選セッションで安定したパフォーマンスを発揮できれば、スプリント決勝と決勝レースで上位に食い込む強固な基盤を築けるはずだ」
 今季でレッドブルとの契約が満了を迎える角田は、来季の去就に関して8月のサマーブレイク中にチーム首脳陣と協議し、後半戦のレース内容と結果をもって最終的に決める方針で合意した。
 角田は後半の6戦で3度入賞。第17戦のアゼルバイジャンGPではレッドブル移籍後で最高位となる6位に食い込んだ。
 前戦メキシコGPでは入賞圏外の11位に終わったが、これにはピットイン時のタイヤ交換で通常より約10秒も多い時間を要したクルーのミスが大きく響いたもの。ローラン・メキース代表(48、フランス)も角田の走り自体は及第点を与えられるものだったと認めた上で、メキシコGP後に発表する予定だった来季の陣容を12月5日開幕の最終第24戦、アブダビGP前まで先送りにすると明言した。
 新たな方針に沿えば、角田に残されたアピールのチャンスは、今回のブラジルGPを含めてラスベガスGP、カタールGPの3レースとなる。
 昇格が有力視される姉妹チーム・レーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(21、フランス)を食い止めるのか。それともレーシングブルズの復帰に選択肢にかけてライバルとなるリアム・ローソン(23、ニュージーランド)と争うのか。来季のF1への生き残りに向けて角田が語ったブラジルGPへの目標をオランダのモータースポーツ専門メディア『RacingNews365』がこう伝えた。
「今週末はコンストラクターズポイントの獲得でチームに貢献して、その上で可能な限りマックスをサポートしていくことが重要になる」
 所属ドライバーの獲得ポイントの合計で争われるコンストラクターズ選手権で、346ポイントで4位のレッドブルは、355ポイントで3位のメルセデス、356ポイントで2位のフェラーリを逆転する2位フィニッシュを目標に掲げている。
 その場合に必要とされるのは、ドライバーズ選手権でトップに立つマクラーレンのランド・ノリス(25、英国)を36ポイント差の3位で追うフェルスタッペンの援護ではなく、角田自身が可能な限り上位でフィニッシュする走り。掲げた2つの目標を達成すれば、それが生き残りのアピールにつながる。午後から夕方にかけて雷雨の予報が発出されているブラジルGP開幕の7日の降水確率は約40%となっている。

関連記事一覧