• HOME
  • 記事
  • モータースポーツ
  • 「キャリアの中でも最悪の週末。何もかもうまくいかなかった」角田裕毅が痛恨の20秒ペナルティで“最下位”17位に沈む…陣営のミスがあったとはいえ来季残留へアピールできず
角田裕毅が痛恨の20秒ペナルティが響き最下位の17位に沈む(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅が痛恨の20秒ペナルティが響き最下位の17位に沈む(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「キャリアの中でも最悪の週末。何もかもうまくいかなかった」角田裕毅が痛恨の20秒ペナルティで“最下位”17位に沈む…陣営のミスがあったとはいえ来季残留へアピールできず

 

 F1の今季第21戦、サンパウロGPの決勝が9日(日本時間10日)にブラジル南部のインテルラゴス・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が完走した17台中で最下位の17位に終わった。17番グリッドからスタートした角田は、6周目にアストンマーティンのランス・ストロール(27、カナダ)に追突。10秒のタイムペナルティを科されると25周目のピットストップ時には陣営のミスで再び10秒のペナルティを取られて来季残留へ向けて何ひとつアピールできなかった。レース後に角田は「最悪の週末のひとつになった」とうなだれた。

 6周目でストロールに追突

  言葉に出かかった怒りを角田があえてのみ込んだ。

 昨季の公式予選で自己最高位を更新する3番グリッドを獲得。決勝でも7位に入賞するなど、角田にとって験の良いはずのサンパウロGP決勝で10秒のタイムペナルティを2度も科された末に、完走した17台中で最下位の17位に沈んだ。

 F1公式サイトが伝えた決勝直後のフラッシュインタビュー。1周4.309kmのインテルラゴス・サーキットを71周する決勝の6周目にストロールに追突。相手のマシンをスピンさせたとして、スチュワード(審議委員)から科された10秒ペナルティを問われた角田はストロールへ謝罪している。

「本当に申し訳なく思っている。接触そのものに気づかなかったし、状況がよくわからないけど、彼にはとにかく申し訳なかったと言いたい」

 インタビュアーからは実は2度目の10秒タイムペナルティも問われていた。しかし、ペナルティを科された理由に納得できていないからか。角田はストロールへの謝罪に続いて「それだけだ」と言及しただけだった。その上でサンパウロGP全体を振り返る質問に対しては、こんな言葉を残している。

「本当に残念だ。何もかもがうまくいかなかった。というか、何かがうまくいっても、同時に別の何かで失敗する。理由はよくわからないけど、とにかく全体的にグリップが不足していた。僕のキャリアの中で最悪の週末のひとつだった」

 英国のモータースポーツ専門メディア『RACEFANS.NET』が、角田が科された2度の10秒タイムペナルティを詳報している。その中でペナルティポイントも科された1回目に関しては、角田に全面的に非があったと伝えている。

「角田はコーナーの内側でコラピントをオーバーテイクしようとしたが、深く走りすぎてアストンマーティンのマシンに衝突し、ストロールはスピンに陥った。スチュワードは追突が発生したとき、角田が周囲のドライバーよりもはるかにスピードを上げてコーナーに突入していったと指摘。その上で角田に事故の全責任があると判断し、衝突を引き起こした場合の標準的なペナルティポイントも加算された」

 しかし、2度目のペナルティの理由は耳を疑うものだった。

 ハードタイヤでスタートした角田は、スタート直後に17番手から14番手へ浮上。キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレート(21、ブラジル)がクラッシュし、セキュリティカー(SC)が出動していた3周目に早くもピットストップを敢行。タイヤ交換義務を果たすとともに、ミディアムタイヤで追い上げを始めた。

  他車のピットストップなどで一時は8番手まで順位を上げた。しかし、その間にストロールへの追突が審議対象になった。

 迎えた25周目。10秒のタイムペナルティを消化する目的も込めて、角田陣営は2度目のピットストップを選択した。

 ここでまさかのミスが起こったと、前出の『RACEFANS.NET』が伝えた。

「ペナルティを消化する目的で角田のマシンが静止しているときに、レッドブルのクルーは10秒が経過する前にホイールガンで左後輪のナットを緩め始めた。FIA(国際自動車連盟)のF1レギュレーションでは、タイムペナルティが科せられている間はマシンに対していかなる作業も行えない。疑義を避けるために補足すれば、クルーの手だけでなく工具や機器を含めたすべてにおいて、マシンと物理的に接触すれば、イコール、マシンへの作業を意味する。スチュワードはペナルティが正しく執行されなかったと見なして、角田に対して再び10秒のタイムペナルティを科した」

 

関連記事一覧