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アブダビGP前のメディアデーで角田裕毅がリザーブ兼テストドライバー降格の舞台裏を赤裸々に明かした(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
アブダビGP前のメディアデーで角田裕毅がリザーブ兼テストドライバー降格の舞台裏を赤裸々に明かした(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「失望したし腹が立った」角田裕毅がレッドブル“降格”の舞台裏を赤裸々に明かす…「他チームからオファーがあったが契約上交渉すら許されなかった」

 来季のレッドブルとレーシングブルズのシートを失い、リザーブ兼テストドライバーへ降格する角田裕毅(25)が去就決定までの舞台裏を明かした。4日に行われた今季最終戦・アブダビGP開幕前日のメディアデーに出席した角田は、前戦カタールGP決勝後の30日にチームのヘルムート・マルコ上級顧問(82、オーストリア)から降格を直接伝えられたと明言。その瞬間の心境を「失望したし、腹が立った」と振り返った角田は、シーズン序盤のレッドブルへの緊急昇格を受諾した中で唯一、後悔している点や契約上の問題で他チームとの移籍交渉ができなかった点などを赤裸々に語った。

 カタールGP直後にマルコ氏から通告を受ける

 もう隠す必要もなかったのだろう。
 今季の最終第24戦となるアブダビGPの開幕前日に行われた恒例のメディアデー。レッドブルとレーシングブルズのシートをともに失い、リザーブ兼テストドライバーへ降格する来季の去就が2日に発表されてから初めて公の場に姿を現した角田が、F1公式サイトが伝えたフラッシュインタビューで胸中を語った。
 角田によれば、来季陣容を含めた決定事項は前戦カタールGP決勝を10位で終えた直後の11月30日(日本時間1日)にレッドブルのマルコ上級顧問から「来年はレースに出られない」と直接伝えられたという。
「当然ながら失望したし、腹が立った。同時に来年のレースに出られない現実をまだ完全に認識できていなかったというか、実感できていない自分もいた。だから一夜明けても意外と平気だったし、朝食もいつもと同じメニューを注文した。確かに理想的な状況ではないし、むしろ心理的には厳しいと言わざるを得ないが、それでもアブダビでやるべきことはカタールまでとまったく変わらない。可能な限り競争力を発揮してドライバーズ王者を争うマックス(・フェルスタッペン)を助けつつ、チームと自分のために可能な限り高い順位でフィニッシュしたい」
 絶対的エース、マックス・フェルスタッペン(28、オランダ)のチームメイトは例外なく苦戦を強いられ、シートを失ってきた。その一人に名を連ねた角田は、インタビュアーから「自分のせいじゃない。マシンのせいだ」とチームへ言い返したいのでは、と問われるとこんな言葉を返した。
「僕がここで学んだのは、マックスが最高のドライバーである状況が、セカンドドライバーにとって不利に働く可能性があるということ。歴史的な存在となっている彼を、チームも当然ながら優先する。僕も理解できるけど、それがセカンドドライバーに重圧がかかる状況を生み出している。同時に僕自身は、特にシーズン終盤にかけてチームからのサポートが増えていると感じていた。結果だけを見れば悪いものに映るが、後半戦における僕の安定した走りを考えれば話は別だ。最後に彼に大きく遅れを取ったのは、いつだったか思い出せないほどだ。だから自分の走りを誇りに思う」
 角田は今季第3戦の日本GP直前に、精彩を欠いていたリアム・ローソン(23、ニュージーランド)と入れ替わる形でレッドブルへ緊急昇格した。アルファタウリ(現・レーシングブルズ)でF1へ参戦して5年目。念願のトップチーム昇格へ喜びを抑えきれなかった一方で、後ろ髪を引かれる思いにも駆られていた。

 

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