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角田裕毅がいなくなる来季の日本でのF1人気は凋落するのか?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅がいなくなる来季の日本でのF1人気は凋落するのか?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

角田裕毅の来季レッドブル降格は日本のF1人気凋落につながるのか…2026年日本GPの前売りチケットがほぼ完売の“謎の現象”も

  F1で5シーズン走ってきた角田裕毅(25)が来季からはレッドブルのリザーブ兼テストドライバーに降格する。今なお海外メディアはその裏舞台や来季のF1復帰の可能性などについて報道、その波紋の大きさを物語っているが、来季は、日本人ドライバーが1人もいない状況となった。角田不在は日本のF1人気の凋落につながるのか。過去の例を紐解き検証してみた。

 日本人ドライバー消滅は4度目

 12月19日、国際自動車連盟(FIA)が2026年のF1のエントリーリストを公表した。アメリカのキャデラックが新たにF1に参戦し、11チームが記載されているリストには、パワーユニット供給会社の欄に「ホンダ」の名前が5年ぶりに復活。アストンマーティンと組んで第5期の幕をあける。
 その一方で、2025年限りでシートを失った角田裕毅の名前がなくなり、日本人ドライバーがF1から完全に姿を消した。日本人ドライバーがF1の表舞台から消えるのは、2020年以来、6年ぶりのこととなる。
 角田がシートを失った直後、日本では”F1離れ”が危惧された。SNSを通して、「購入した日本GPのチケットをキャンセルした」とか、「F1中継を見るためのサブスクを解約した」という内容のコメントが発せられたからだ。
 国際的なスポーツ競技を見る場合、そこに母国出身の選手が参加しているかどうかが興味を持つ重要な要素になるのは、日本に限らず、どこの国も同じだ。したがって、角田のシート喪失が日本におけるF1人気にプラスの影響を与えてはいないことは確かだ。
 だからといって、日本におけるF1人気が凋落するかと言われれば、そんなに悲観しなくてもいい。
 というのも、中嶋悟が日本人として初めてF1のレギュラードライバーとなった1987年以降、多くの日本人ドライバーがF1に挑戦したが、この38年間で日本人ドライバーがF1のフィールドから姿を消したのは角田が初めてではないからだ。
 中嶋以降、初めてF1から日本人ドライバーがいなくなったのは、2000年。前年まで参戦していた高木虎之介がアロウズのシートを失ったからだ。佐藤琢磨がF1にデビューする2002年まで2シーズン、日本人ドライバーがF1でレースすることはなかった。
 2度目は2013年。前年までサウバーで活躍していた小林可夢偉がシートを失い、12年ぶりに日本人ドライバーがF1から姿を消した。翌年に可夢偉がF1に復帰したものの、チームが消滅したために2015年に再び日本人ドライバーがF1のエントリーリストから消滅した。
 では、日本人ドライバーがいなくなったことが日本のF1人気にどれだけの影響を与えてきたのか? 
 日本GPの観客動員数を検証してみよう。虎之介がいた1999年の日曜日の観客数は14万6000人だったのに対して、2000年は15万1000人と微増していた。
 可夢偉がいなくなった2013年は前年10万3000人から8万6000人と1万7000人も激減する事態となったのが、可夢偉が復帰した2014年はは台風18号接近の影響もあったとはいえ、さらに7万2000人と1万4000人減となったこと。そして、可夢偉が再びF1からいなくなった2015年には8万1000人に増加したことを考えると、そもそも鈴鹿の観客数自体が日本人ドライバーの有無と関係しているのかどうかも疑わしい。

 

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