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井上尚弥が民族衣装を身にまとまったピカソと約42秒のロングランのフェイスオフ(写真・山口裕朗)
井上尚弥が民族衣装を身にまとまったピカソと約42秒のロングランのフェイスオフ(写真・山口裕朗)

明日ゴング!「井上尚弥が本当の歴史を作るにはふさわしいライバルが必要だ」“口撃”で知られる英有名プロモーターがモンスターの“今後”へまさかの物言い?!

 プロボクシングの「The Ring V: Night of the Samurai」(27日)の公式会見が25日、サウジアラビア・リヤドのグローバルシアターで行われた。スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)は挑戦者でWBC同級2位のアラン・ピカソ(25、メキシコ)が「サムライナイトではなくアステカナイトにしてやる。ベルトは全部持って帰る」と豪語したのを受けて「100%ない」とやり返した。一方会見のMCを務めた「マッチルーム」のエディ・ハーンCEOは、「井上が本当の歴史を作るにはふさわしいライバルが必要だ」とモンスターの“今後”へまかさの物言いをつけた。

 

まさかの物言いをつけたマッチルームのエディ・ハーン氏(写真・山口裕朗)

 会見の後のフェイスオフは42秒も続いた。
 最近では記憶にない長さだ。正面を向いて写真撮影を終えると、井上は、ピカソと目も合わさず握手もしなかった。
 会見ではピカソが4団体統一王者をイラ立たせる強気発言を続けた。
 まずトレーナーである父が「日々激しい練習を積んできた。息子がベルトを巻いている姿が目に浮かぶ」と言えば、寺地拳四朗の二番煎じの民族衣装に身を包んだピカソは「サムライナイトでなくアステカナイトにする」と豪語した。
 アステカとは15~16世紀のメキシコ文明で勇敢な戦士をも示す。
 大橋秀行会長が、「サムライは逃げも隠れもしない。相手は覚悟を持って臨んで欲しい」と最高のコメントを先に発したことへのお返しだったのか。
「私の体には勝者の血が流れている。待ちに待った試合。ここで戦えるほとを誇りに思う。ベルトをすべて持って帰ることで国民の皆さんも誇りに思ってもらえると思う」  
 メヒココールに乗せられて強気に言い切った。
 井上もこうアンサーした。
「このベルトがメキシコに帰ることは100%ありません。ピカソ選手とはスーパーバンタム級で必要な戦いと認識して土曜に戦う」
 静かな火花の先にあったのが、この異例の長いフェイスオフと「握手無し」だった。
 この日、今大会の主催者の一つであるリング誌が、最新のパウンド・フォー・パウンドランキングを更新。引退を表明した3階級4団体統一王者のテレンス・クロフォードを1位から外して3位だった井上が2位に浮上した。ちなみに1位は、ヘビー級の3団体統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)。だが、井上がピカソ戦でインパクトを残せば、1位に返り咲く可能性は大だ。
 勝てばジョー・ルイス、フロイドメイウェザージュニアを超える世界戦27連勝の世界新記録を更新する。
 司会を務めたハーン氏から、その話をふられると「この試合は自分にとって今後のキャリアを加速させていく一戦。内容で1位に返り咲く気持ちで挑んでいきたい」と断言した。
 そして来年5月には中谷潤人とのスーパーファイトが控える。井上が1位に返り咲けば、しばらく最強の称号をずっと手にしたままとなる可能性もある。
 だが、ハーン氏が、こうまさかの物言いをつけた。
「彼はこれまで戦ってきたすべての階級で圧倒的な支配力を見せてきた。ただボクシングで“本当の歴史”を作るには、相応しいライバル(ダンスパートナー)が必要なんだ、。クロフォードもカネロ(サウル・アルバレス)戦まで歴史に響く対決がなかった。井上は殿堂入りとなる選手だがが、本当に歴史に名を残すためには、同じチャンピオンレベルの強敵との名勝負が不可欠だ」
 暗にここまでの対戦カードに“ケチ”をつけた。
 ピカソも役不足だと思っているのだろう。

 

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