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井上尚弥と中谷潤人が5月東京ドームで激突する
井上尚弥と中谷潤人が5月東京ドームで激突する

5.2東京ドーム決戦!「中谷潤人なら井上尚弥に勝てるのではないか」の“幻想”は本当にサウジの夜で崩れてしまったのか…真吾トレーナーの答えは?

 井上陣営は中谷の苦戦を予想していた。
 井上が2024年12月にサム・グッドマン(豪州)と対戦する予定だった際にヘルナンデスをスパーリングパートナーとして呼んだことがあるからだ。ガンガン前に出てくるブルファイターのヘルナンデスは、あまりにもグッドマンとスタイルが違うため、1日でパートナーは“クビ”になったが、その後、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の中嶋一輝や元日本フェザー級王者の松本圭佑らの相手を務めると、長いラウンドの後半には、持ち味を発揮して、大橋秀行会長曰く「後半になると全員がめった打ちにされた」という。
 井上も帰国会見で「僕も会長もああなる予想はずっと話していた。その通りになった」との感想を口にしている。
 真吾トレーナーは、元WBC世界バンタム級王者の“カリスマ”辰吉丈一郎が、9回TKO負けした1992年9月のビクトル・ラバナレス(メキシコ)戦に中谷の苦戦を重ねた。
「あのラバナレス戦にそっくりでした。くっついてアッパーを打たれ巻き込まれた。あのスタイルで、前へ出てゴリゴリやられて、しかも相手が打たれ強いと、そりゃやっかいですよ。辰吉さんもそうだったけど、男の意地で足を止めると、むこうのステージ、土俵になってしまいます。抜け出しにくくなりますよね」
 辰吉はその試合は網膜裂孔のブランク明けでコンディションがベストではなかったのだが、ラバナレスに徹底して前へ来られて、メキシカン特有のリズムと角度で、なりふりかまわずにパンチを振り回され、持ち味の瞬発力を発揮する距離やタイミングを潰されてしまっていた。
 翌年7月の再戦も激戦となったが、今度は辰吉が打ち負けず、終盤に逆にラバナレスを下がらせる展開を作って2-1で判定勝利している。
 しかし中谷はヘルナンデスを下がらせることができなかった。
 井上とヘルナンデスのスパーは一度きりだったそうだが、真吾トレーナーは、「ヘルナンデスは前に出てきたが、尚は足の使い方が違うし、しっかりとヒット&アウエーができるので、ああいう展開にはならなかった」という。
 苦戦した中谷と難なくさばいた井上。このメキシカンをリトマス紙とすれば、井上有利の声が強まり、「中谷なら井上に勝てるのではないか」の幻想が崩れたのも当然である。
 だが、真吾トレーナーはその声に反発しむしろ警戒心を強めた。

 

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