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パリ五輪金メダリストでバラエティ番組でも人気の角田夏実が引退を発表
パリ五輪金メダリストでバラエティ番組でも人気の角田夏実が引退を発表

引退の角田夏実にONEから非公式オファーも総合格闘家転身は「面白そうだけど難しい」と否定…子供達の柔道普及活動と「結婚したい。30代女性の悩みの妊娠、出産との向き合い方を発信したい」

 柔道のパリ五輪女子48キロ級金メダリストの角田夏実(33、SBC湘南美容クリニック)が30日、千葉のSBC東京医療大学で現役引退を発表した。「中途半端な気持ちで五輪は目指せない」。2028年のロス五輪に向けて心技体が一致しないことが第一線を退く理由。気になる今後については、他のスポーツへ挑戦したい意向は明かしたものの、アジア最大の格闘技団体「ONE Championship」からの非公式なオファーがあったことを示唆した上で「面白いそうだが難しい」と、総合格闘家への転身は否定。全国を回っての柔道キャラバンや国内外の道場の開講など、柔道の普及活動をメインに行っていく考えを表明した。

 

恩師の今井コーチがサプライズで登場すると角田は号泣した

 

 角田は柔道着で会見場に現れた。
 ひな壇の下には「これまでの私、これからの私―発表会見」と書かれていた。通常の引退会見はまずその表明から始まるが、これまでの柔道人生を振り返ることから始めるという異例の形で、会見が進行した。
 そこには「第一線は退き、競技者ではなくなるが、これからも柔道と共に人生を歩んでいきたい」との思いが込められていた。
「引退という言葉にどんな意味があるのか答えは出ていないが、第一線は退く。今の中途半端な気持ちで五輪は目指せるものではない」
 2日前に全日本柔道連盟に事実上の引退届を提出した。関係者から、「お疲れ様」の言葉をかけられ「これで終わりなんだなとさみしく悲しい気持ちになった」という。それほどギリギリまで心は揺れ動いた。
 引退を考え始めたのは昨年2月のグランドスラムのバクー大会。
「パリ五輪が終わった時、私はまだ戦いたいと思っていた」
 五輪金メダリストだけに与えられるゴールドのゼッケンで出場したバクー大会で金メダルを獲得したが「気持ちの部分がなかなかついてこない。モチベーションがあがってこない」との不安を感じ始めた。
「ロス五輪まで3年間をどう戦うかと考えた時に先が見えなかった」
 4月には無差別級である全日本女子選手権に挑戦し、3回戦で敗退した。「一度柔道から離れてどう思うかを考えたい」と、ここから自分と向き合う時間を作った。結局、12月のグランドスラム東京大会にはエントリーせず「あの舞台にもう一度立ちたいと思わなかった。あの舞台で戦っている選手を見たとき、“凄いな、苦しかったよな”と思ってしまった時点で、次の大会に出るのは厳しいと気づいた」
 当初は、12月22日に引退会見を行う予定でいたが、一部メディアに引退をスッパ抜かれてまた気持ちが揺れた。
「自分の中に天使と悪魔の2人がいるんじゃないかというくらいの葛藤があった。ずるずる悩んでいても申し訳ない」
 ロス五輪2年前にして第一線を退くことを決断した。
 遅咲きの金メダリストである。八千代高2年のインターハイで3位に入っているが、東京学芸大3年で全日本学生体重別選手権の52キロ級で優勝するまでほぼ無名。会見に出席したSBC湘南美容クリニック柔道部の山田利彦総監督のススメもあり、2019年に48キロ級に階級を落としたことが転機となるが、東京五輪の出場権を逃して一度は引退を考えた。 
 2021年から世界選手権で3連覇。パリ五輪で頂点に立ったのは31歳。 
 日本柔道界で最年長の金メダリストだった。
「柔道が好きだった。柔道センスがあるとは思っていなくて強い選手でもなかった。負けず嫌いな気持ちがあり色んな人の手を借りて、支えてもらい、その期待に応えたいと戦ってきた。その人たちの人生を変えてしまった。だからこそ妥協はできない。少しの可能性にかけて覚悟を決めれたからこそ大きく成長できた」

 

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