• HOME
  • 記事
  • 五輪スポーツ
  • 「マリニンは疲労で個人戦金メダルの可能性を損なうかも」米国“4回転の神”が予定変更で団体フリー出場決定…日本の団体逆転はピンチも鍵山優真が個人で金いける?!
“4回転の神”マリニンが五輪では28年ぶりとなる“バク宙”を投入したが鍵山に惨敗(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
“4回転の神”マリニンが五輪では28年ぶりとなる“バク宙”を投入したが鍵山に惨敗(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

「マリニンは疲労で個人戦金メダルの可能性を損なうかも」米国“4回転の神”が予定変更で団体フリー出場決定…日本の団体逆転はピンチも鍵山優真が個人で金いける?!

 ミラノ・コルティナ冬季五輪の団体戦の最終日が日本時間9日の午前に行われるが、日本に5ポイント差で猛追されている1位の米国代表は逃げ切るためエースのイリア・マリニン(20)を男子シングルSPに続きフリーにも出場させることを発表した。一方の日本はSPでマリニンに勝ち1位となった鍵山優真(22、オリエンタルバイオ/中京大)を個人戦に向けて温存して、佐藤駿(21、エームサービス/明治大)が出場する。米USAトゥデイなど複数のメディアがマリニンの疲労の蓄積が中1日で11日から始まる個人戦へ影響を及ぼす可能性を示唆した。

 

鍵山優真はノーミスで団体男子シングルSPでトップに立ちメンバーと喜びを分かち合う(写真・ロイター/アフロ)

 

 米国の尻に火がついたのだろう。最終日のペア、男女シングルの3種目のフリーを残して5ポイント差で猛追されている日本に対する危機感からか、当初、男子シングルSPのみに出場予定だったエースのマリニンのフリーへの投入を決断した。
 米スケート連盟が発表する前にスクープしたUSAトゥデイ紙が、この件に詳しい関係者から取材したところによると「団体戦開始前の計画ではマリニンは男子SPのみを滑り、その後のメダル争いの状況を見て、フリーに出場させるかどうかを判断する予定だった」という。
 さらに「マリニンが団体戦で男子2種目の両方に出場するかどうかは大きな焦点だった。両方に出場すれば10日(日本時間11日)に始まる最重要の男子個人戦までの間隔が非常に短くなるため、この若き才能をどう起用するかが米国にとって難しい判断だった」と続けた。
 米国は女子シングルフリーにはSPで坂本花織に次ぐ2位につけたアリサ・リュウではなく、五輪初出場となるアンバー・グレンを起用する。グレンは全米王者でグランプリシリーズの中国大会でも優勝している。前出のUSAトゥデイ紙は「10ポイントを獲得できる力を持っている」としたが、坂本を投入してくる日本に再び敗れる可能性がある。
 日本は男子シングルフリーに鍵山でなく佐藤を起用するが、ここで確実に1位を取らねば金メダルは危ないと考えたのだろう。
 同紙は「マリニンの起用は米国が団体戦の優勝のために彼の力が必要だと判断していることを示しており、マキシム・ナウモフやアンドルー・トルガシェフといった他の五輪代表で臨むことに十分な安心感を持っていないことも意味している。男子シングルフリーは団体戦の最後のため、米国は金メダルに必要なポイントを計算した上でマリニンに求める内容を見極めることができる」との見解を示した。
 だが、個人戦に焦点を合わせているマリニンにとって想定外だった可能性がある。
 実際、男子シングルSPでは、マリニンは個人戦を見据えて予定していた演技構成の難易度を下げた。
 当初冒頭のジャンプは、彼が史上初めて成功させた4回転アクセルとトリプルトゥループの連続ジャンプの予定だったが、4回転フリップに変えた。だが、続くトリプルアクセルでステップアウトするミスを犯し、さらに4回転ルッツ+3回転トゥループの連続ジャンプでは、4回転ルッツが回転不足。五輪では1998年の長野五輪でスーリヤ・ボナリーが試みて以来となる28年ぶりにバックフリップ(バク宙)をやってのけ、観客の大歓声を浴びたが、98.00点に留まった。
 ノーミスの完璧な演技で、自己ベストに迫る108.67点をたたき出したライバルの鍵山に完敗することになった。

 

関連記事一覧