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スノボ女子ビッグエアで逆転金メダルを獲得した村瀬心椛(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
スノボ女子ビッグエアで逆転金メダルを獲得した村瀬心椛(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

米メディアも女子ビッグエア村瀬心椛の“逆転”金メダルを「ビッグトリックを使わなくても男子に続く快挙達成」と絶賛

「村瀬は前回大会で手にしたビッグエアの銅メダルを金メダルに変えた。しかも、彼女はそれを達成するためにビッグトリックを使っていない。彼女はXゲームでバックサイドトリプルコーク1620を成功させて新たな歴史の扉を開けたが、リビーニョ・パークで勝利を収めるためには女子初の大技は必要なかった」
 さらに米スポーツ専門局の『ESPN』は、木村葵来(きら、21、ムラサキスポーツ)が金、木俣椋真(23、ヤマゼン)が銀メダルを獲得した7日の男子ビッグエア決勝を引き合いに出しながら村瀬の勝利を伝えている。
「すでにメダルを確定させていた村瀬は、最後の3本目で完璧なトリックを成功させて金メダルを獲得した。男子の同じ種目で日本チームが金、銀メダルを独占してから、わずか2日後に再び日本人選手がスノーボード競技で快挙を達成した」
 女子ビッグエアを前に、男子の覇者・木村に金メダルを触らせてもらった。
「そのときに『私もこれを獲りたい』と思いました」
 女子初の金メダル獲得への思いをさらに強くした村瀬は、前日8日の予選を2位で通過。迎えた決勝。2023年9月にこれも女子で初めて成功させたトリプルコーク1440を「すべて成功させる」と村瀬は決意を新たにした。
 言葉通りに1本目からバックサイド1440の大技を完璧にメイク。89.75の高得点を叩き出してトップに立った。着地時の反動でバランスを崩しかけても「逆に格好良く見えたのかな」と笑ってみせた。しかし、2本目も守りに入らずに攻めたものの、回転数が足りずに1260となってしまい、ユ・スンウンに上回られた。
「2本目も1440を狙ったんですけど、それでも最後まであきらめずに挑む、という姿勢を見せられたのですごく良かったと思っています」
 メンタル的に落ち込むどころか、さらにポジティブになって臨んだ3本目。直前に北京大会銀メダリストのサドフスキシノットに上回られ、自身の直後には大技を立て続けに成功させていたユ・スンウンが控えていても動揺も緊張もない。逆転へ82.50点以上が必要だった状況下で、圧巻の89.25点を叩き出してみせた。3本のうち得点の高い2本の合計で争われる決勝で90点近い高得点を2本そろえたのは村瀬だけだった。
 ジャンプを構成するスピード、約2.5秒の滞空時間における高さと回転数に加えてメンタルでも異次元の強さを見せた村瀬は、これまで支えてくれた家族やチーム関係者へ感謝した最後に、インタビュアーへこんな言葉もかけている。
「寒いのにありがとうございました」
 スイス国境に近い競技会場のリビーニョ・パークの気温は、氷点下を大きく下回っていた。極寒の状況でもインタビュアーへの気遣いを忘れない優しさも見せた村瀬の快挙とともに、スノーボードのビッグエアが日本の新たな“お家芸”になった。

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