豪州の銀ジェームズが「誰かに負けるとすれば(戸塚)優斗だった」と大技トリック連発の金メダリストへの完敗を認める
スノーボード大国を自負する米国の『NBC Sports』は「スノーボード史上で最もハイレベルな決戦を制した」と圧巻だった戸塚の勝利を称えた。
「わずか4年前の北京冬季五輪で、トリプルコーク1440を成功させたのは平野歩夢だけだった。それが金曜日の夜には決勝に臨んだ12人のうち実に10人が大技を成功させ、あるいは成功させようと試みた。中でも戸塚優斗はトリプルコーク1440を立て続けに成功させるなど、悲願の金メダルを狙った5大会連続出場のベテラン、ジェームズを完璧なルーティーンで阻止した。最後のトリックを1620(4回転半)にアップグレードさせ、逆転を狙うも転倒したジェームズは競技後に『もし私が誰かに負けるとすれば、それは優斗だった。トレーニングで彼を見かけることが多いが、彼はいつも一生懸命頑張っていた。彼には心からおめでとうと言いたい』と脱帽している」
2本目の最後で93.50点をマークし、2位に浮上したジェームズが逆転を狙った3本目で転倒した瞬間に、3本の試技の中でベストスコアを競い合うハーフパイプ決勝の決着がついた。転倒したジェームズを心配そうに見つめた戸塚は、すでに銅メダルが確定していた山田から祝福されながら歓喜の涙を流した。
表彰台の真ん中でも涙をこらえられなかった金メダリストは自身の競技人生を振り返りながら感無量の表情を浮かべてメダルを見つめている。
「今までの自分のスノーボードの人生が詰まってきたものだと思いますし、これまでやってきたことが良かったと思える瞬間でした。つらい時期もすごくいっぱいあって、そういうときに本当にいろいろな方に支えられてここまで来られたと思っています。自分一人で獲れたものじゃなくて、本当にみんなの思いが詰まったものだと思うので、やはりそれなりの重さは感じています」
センターポールに日の丸が掲げられ、国歌の「君が代」が演奏されるアナウンスが響いた直後。それまで男泣きしていた戸塚は表彰台の真ん中で帽子を脱ぎ、凜とした姿にジェームズと山田の両メダリストも倣う光景は世界中で共感を呼んだ。
辞めたい、という思いが何度も駆け巡るなど、どん底から頂点へはい上がった戸塚の圧巻の勝利とともに、今大会で日本勢が手にした金メダルはすべてスノーボード勢による3個目に到達。史上最多だった前回北京大会に、大会半ばで早くも並んだ。

