「日本は我々のミスを冷徹に利用した」カーリングでフォルティウスに“大番狂わせ”を許した金メダル候補スイスのスキップが悔しさ隠さず
ミラノ・コルティナ五輪のカーリング女子1次リーグの日本代表フォルティウスは14日 コルティナ・カーリング五輪競技場で、世界ランキング1位で金メダル最有力候補のスイスに7-5で逆転勝利する大番狂わせで今大会初勝利をつかんだ。スイスのスキップは日本の冷静さを称えた。4位までは準決勝に進出できる1次ラウンドで日本は6位につけた。
吉村のショットが冴え第7エンドに逆転、第8エンドでスチール
6―5で迎えた最終エンド。ハウスにはスイスのストーンが3つ。スキップの吉村紗也香のラストショットでナンバーワンを確保しなければならなかった。
日本の4人の真剣な議論の声が会場に響く。
「ドローかな」
「いや結構見えているよね」
当初、スキップの吉村はストーンをナンバーワンの位置に置きにいく作戦を考えたが、小野寺佳歩の「4分の3」ほどスイスのナンバーワンのストーンが見えているという意見でヒットステイに戦略を変える。
リードの近江谷杏菜からタッチを受け気合を入れられた吉村のラストショットは、見事にスイスのストーンを弾き出した。1点を奪い、7-5で今大会初勝利を手にした。しかも、相手はグランドスラムと欧州選手権を制し、世界選手権では決勝でカナダとの死闘を演じた世界ランキング1位で、金メダル候補のスイス。大金星をあげた4人は、声をあげて互いにハグ。喜びを分かち合った。
初戦に2028年平昌五輪金メダルのスウェーデンに最終エンドでコンシードする完敗、2戦目はデンマークとの延長戦に突入する死闘の末、連敗を喫した。
試合のなかった前日にチームは緊急ミーティングを開いたという。
「2敗から始まって割り切って生まれ変わろうとみんなでミーティングをした。楽しもう、笑顔でプレーしようと。今日は楽しくプレーできた」
ソチ五輪以来の五輪出場となるサードの小野寺がそう振り返った。
まさに生まれ変わったかのように小野寺と吉村のショットが冴えた。
3-4で1点を追う第7エンドに吉村が最後の1投でダブルテイクに成功して2点を奪い逆転に成功した。続く第8エンドも吉村が第8投目でダブルテイクに成功。後攻のスイスはナンバーワンを狙ってドローで来たがミスショット。日本はスチールで6-4と点差を引き離した。さらに第9エンドも複数得点は許さず1点に留まらせゲームをコントロールした。
吉村は「序盤もドローの感覚つかんでいた。テイクもいい感覚をもっていた。今日は自信を持って投げれた。(連敗したが)ショット自身は悪くはなかった。1投1投を信じて、やるだけだと思っていた。チーム全体が自信を持って投げれた」との心境を明かした。
スイスの地元メディア「20 Minuten」によるとスキップのシルヴァナ・ティリンゾーニは、悔しさを隠さず、こう敗因を口にしたという。
「日本は我々のミスを冷徹に利用した」
日本の冷静な試合運びを称えた。
スイスの大衆メディア「Blick」も「連勝していたスイスが連敗していた日本に敗れた敗因は、主に試合後半でのミス。さらにCC Aarau所属のカルテットは、日本のプレーが見せた隙を何度も活かしきれなかった。決定的だったのは、第7、第8エンド。最終的に1点差が大きな重荷となった」と、この試合を伝えた。

