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MVPの井上尚弥と優秀選手賞の中谷潤人は目を合わせず会話もせず(写真・山口裕朗)
MVPの井上尚弥と優秀選手賞の中谷潤人は目を合わせず会話もせず(写真・山口裕朗)

井上尚弥も“りくりゅう”ら日本勢メダルラッシュに「自分もやってやろうという気持ちに」と刺激…5月東京ドームで戦う中谷潤人は小林陵侑の途中打ち切りに「自然との勝負も」と同情寄せる

 プロ、アマボクシングの2025年度の年間表彰式が17日、東京ドームホテルで開催され、スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)が8年連続9度目の最優秀選手賞(MVP)に選ばれた。井上は「今年5月、東京ドームで中谷潤人と本気でぶつかります」と挨拶。優秀選手賞に選ばれた中谷潤人(28、M.T)も「ベストな選手にベストな状態にしなければならない」と受け止めた。また井上はミラノ・コルティナ五輪での日本勢の活躍に刺激を受けていることを明かし、中谷は親交のある小林陵侑(29、チームROY)がジャンプの「ス―パチーム」で途中打ち切りで6位に終わったことに同情を寄せた。

 表彰式で両者は喋らず目も合わせず

 思い起こせば1年前の表彰式でのモンスターのサプライズとも言える中谷への対戦呼びかけが始まりだった。井上は4試合を全勝で8年連続のMVP、中谷も3試合全勝で優秀選手賞を受賞した。
 井上は挨拶でまだ正式発表されていない5.2東京ドーム決戦をフライング発表した。
「今年5月、東京ドームで中谷潤人と本気でぶつかります。そのお互いの勇姿を必ず見届けてください」
 その後、全表彰選手の記念撮影が行われ、最前列に井上と中谷が並んで座ったが、握手もせず目も合わせなかった。1年前は、壇上で“打ち合わせ”をし、バックステージでは談笑していたというが、井上は、今回、話もしなかったことを明かした。
「次ですからね、前回にかんして、ひっつ試合はさみました、次戦う対戦相手もない、サウジおわったから、次の対戦相手と意識しているので、そこは当たり前」
 一方の中谷も「喋ってはいない。まあ戦うんで。ファイターなんで。なるべく、ほかの感情なしにして戦いたいなと思っている」と返した。
 もう戦いは始まっている。
「久々の日本人との戦い。井上が勝つか、中谷が勝つか、(ファンの意見が)割れていますから…割れていると思いますから。少なからず両者の声はある。(主役交代は)まだまだだぞと、しっかりと見せつけたい」
 井上はそう話したが、2人が揃い踏みした年末のサウジアラビアの戦いで、中谷は評価を落とした。スーパーバンタム級への転級マッチで中谷は井上の元スパーリングパートナーであるフェルナンド・エルナンデス(メキシコ)の前進を続けるタフファイトに手を焼き、目を大きく腫らして、一部から「負けていた」との声があがるほどの苦戦をしての僅差の判定勝利。ディフェンス一辺倒のアラン・ピカソ(メキシコ)を倒せはしなかったが、ほぼパーフェクトに封じた井上と明暗を分けた。
――評価は変わっているが?と問うと井上はその見方を否定した。
「僕はそうは思わない、あの相手の地味な強さを知っていますから、ああなると予測はしていましたし、その相手にフルに戦い抜いたのは彼にとってひとつ財産になります。次に向けて大事な一戦でもあった。むしろ逆に成長させてしまった一戦かな。あのサウジ(のエルナンデス戦を)見ただけで、どっちが有利とかそういったものは決まらない」
 井上はむしろタフな長丁場を戦い抜いた経験に警戒心を抱いた。
 井上が戦前に「勝てるか」と予想された試合はそう多くない。
 バンタム級への挑戦即世界戦となったジェイミー・マクドネル(英国)戦、スーパーバンタム級への転級即2団体統一王者への挑戦となったスティーブン・フルトン(米国)戦、悪童ルイス・ネリ(メキシコ)戦、そして昨年9月のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)戦の4試合だろう。
「アフマダリエフ戦も危機感をもっていた。その前というと、どうなんですかね。久々と言えば久々かもしれない。でもそういったときの井上尚弥が強いぞというのは、みなさんもわかっている。そういう姿見せたい。完成度の高いあれ(アフマダリエフ戦を)超えるような試合を自分自身にも期待できる」
 そして刺激を受けているのが、ミラノ・コルティナ五輪での日本勢のメダルラッシュだ。この表彰式の朝には、りくりゅうペアが感動の大逆転金メダルを獲得していた。
 夜中の時間の競技が多いため、ニュースでしか見れていないというが、こう明かした。
「全部が全部見れているわけじゃないのですが、同じアスリートとして戦っている姿を見ると、勇気というか、“自分もやってやろう”という気持ちになる」
 具体的な競技はあげなかったが、同じ日に丸を背に戦うアスリートに共通する部分を見出しているのかもしれない。
 また井上は中谷戦がス―パ―バンタム級のラストマッチとなることを明かした。
「今の時点では集大成と考えている。その先はお楽しみってことで」
 中谷に勝てば次戦はいよいよ5階級制覇となるフェザー級へのチャレンジとなる。

 

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