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日本が女子団体追い抜きで銅メダルを獲得した(写真:エンリコ/アフロスポーツ)
日本が女子団体追い抜きで銅メダルを獲得した(写真:エンリコ/アフロスポーツ)

通算メダル獲得10個となった高木美帆が団体パシュート銅を「凄く誇らしい」…隊列構成を変えるメダル戦術で米国に圧勝

 米国メディアの『NBC Sports』は、大接戦だったオランダと日本の準決勝を受けて3位決定戦では米国が優位に立つと予測していた。
「準決勝でオランダに僅差で敗れてから、わずか2時間後に行われた3位決定戦において日本の体力が完全には戻っていないだろう、と考えるのは至極妥当だった。しかし、実際には想像通りにはならず、米国は逆に3.50秒もの大差で敗れた。平昌大会の銅メダル以来、この種目で2つ目となるメダルはあまりにも遠かった」
 カナダに続く2位で準決勝進出を決めた14日(日本時間15)の1回戦に続いて、オランダとの準決勝でも日本は高木-佐藤-堀川の隊列で臨んだ。しかし、3位決定戦では堀川に代えて今大会が初の冬季五輪出場となる野明を起用した。
 日本が金メダルを獲得した平昌大会と異なり、現在の団体追い抜きは先頭交代を行わないまま、後ろの選手が前の選手の腰の部分を手で押し続ける「プッシュ戦術」が主流になっている。
 もちろん日本も新戦術を取り入れていて、レース後半に強く、押す力にも長けている堀川を最後尾にすえてきた。
 一転して3位決定戦では高木-野明-佐藤の隊列に変更。前走者が滑るリズムに合わせる技術に長けている野明を、平昌、北京両大会で高木とともに滑り、大舞台での経験も豊富な佐藤がプッシュする形で米国を終始圧倒した。
 今大会を最後に五輪からの引退を示唆していた29歳の佐藤は、狙っていた金色のメダルではなかった悔しさをにじませながらも、こんな言葉を残している。
「銅メダルでも悔しがれるくらい、自分たちもすごく成長したと思っています」
 前回北京大会では連覇を確実な状況として最終コーナーを回りながら、最後尾を走っていた高木の姉、菜那さんが転倒して無念の銀メダルに終わった。北京大会後の2022年4月には菜那さんが引退。女子スピードスケートを引っ張ってきた高木は、自身の後に続く22歳の堀川と21歳の野明の成長を喜んでいる。
「私が先頭を引っ張らせてもらう中で、この数カ月の間にプッシングがすごく上達していると感じていて、彼女たちができる最大のところまでは来られたんじゃないかと思っています。その分、私が最後、決勝まで(チームを)持っていけなかったのは悔しい部分がありますけど、それでも銅メダルを一緒に取りに行くことができたのは、自分のなかで大事なものだと今は感じています。だから感謝の気持ちでいっぱいです」
 日本の女子スピードスケートの総合力を3位決定戦での圧勝であらためて示しただけではない。堀川や野明の今後にもつながる銅メダルをもって、今大会で日本選手団が獲得したメダルは金4、銀5、銅10の合計19個に到達。前回北京大会の18個を上回り、日本が臨んだ冬季五輪史上で史上最多を更新した。

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