日本のフィギュア表彰台独占を阻む不気味な2人…3位リュウは「彼女らに勝つことは目標ではない」と“唯我独尊”…4回転“最終兵器”を持つ5位ロシア18歳は「使うかは秘密」と“煙幕”
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子シングルSPが17日(日本時間18日)、ミラノ・アイススケートアリーナで行われ、トリプルアクセルを成功させた初出場の中井亜美(17、TOKIOインカラミ)が自己ベストの78.71点でトップに立ち、ノーミスの坂本花織(25・シスメックス)が2位、4位には千葉百音(20、木下グループ)は入り、女子シングルでは史上初めて1か国がメダルを独占する可能性が出てきた。独占に待ったをかけるのが3位のアリサ・リュウ(20、米国)と中立選手として出場して5位のロシアのアデリア・ペトロシアン(18)の2人。リュウは「日本勢に勝つのが目標ではない」と発言。ペトロシアンはフリーに“最終兵器”の4回転ジャンプを持ち込むかをあえて秘密にした。
「17歳の中井は世界を驚かせた」
英「BBC」が「17歳の中井亜美が首位。日本勢が席巻」との見出しを取って伝えた女子シングルSP。日本勢のトップバッターとしてリングに飛び出した中井は冒頭でGOEが1.71つくトリプルアクセルを決めて、最高の笑顔を弾けさせた。五輪でこの大技を決めたのは、伊藤みどり、浅田真央、樋口新葉に続く4人目の快挙。試合後、中井は「本当に今夢が叶ったぐらいの嬉しさもあります。この大舞台で着氷できたことによって、テレビで見ている方たちが自分(が浅田真央に憧れた)ように憧れてくれたらいいなと思います」と喜んだ。
続く3回転ルッツ+3回転トウループの連続ジャンプに後半の3回転ループもクリーンに決めて今季世界2位となる78.71点の高得点。
「正直自分でもビックリするくらいの出来」は本音だろう。
最終組で滑った坂本も北京五輪銅メダリストらしい円熟の演技。細かい部分の取りこぼしで中井を抜けなかったが77.23で2位。さらに最終滑走の千葉もノーミスの演技で74.00をマークして4位につけ、米スポ―ツ専門局「ESPN」は「日本が表彰台を独占する可能性を残した」と伝えた。
女子シングルの歴史において1か国がメダルを独占した例はない。アリーナ・サギトワ、エフゲニア・メドベージェワ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トゥルソワら、ロシアが王国が築いた平昌、北京五輪でさえワンツーは決めたが独占はできなかった。
だが、英「ガーディアン」は「中井、坂本、千葉は、スケート熱の高い母国に歴史をもたらす可能性を十分に感じさせている」と報じた。ただ日本の表彰台独占を阻むライバルがいる。
対抗馬の一番手は、3位につけたリュウだ。連続ジャンプの3回転ルッツを回転不足をとられて減点となりながらも、そのしなやかな演技は、観客を引き付けて76.59点をマークした。
北京五輪後に燃え尽き症候群に襲われて16歳で一度引退。2024年に現役復帰した。メンタルが強くなり、昨年12月に名古屋で行われたグランプリファイナルではSP2位のスタートからフリーで逆転金メダルを獲得している。
前出の英「ガーディアン」によると、リュウはフリーに向けて「彼女たち(日本勢)に勝つことが目標ではありません」と明言した。日本の3人を無視しているわけでも意識しているわけでもない。
「自分のプログラムを滑り、自分の物語を伝えることが目標です。そのために誰かの上に立つ必要も、下にいる必要もありません」
この意識が返って怖い。集中力につながる。一発はないが安定した演技のリュウが日本勢にとって最大のライバルだろう。

