94歳の球界重鎮が「視聴方法がよくわからずWBCは見れていない」と地上波放送なしNetflix独占配信に激怒…「商業主義も甚だしい。WBCの意義は野球の世界普及ではなかったのか」
福島民報は、「WBC 地上波ねぇ、ラジオもねぇ、ネトフリ契約分かんねぇ 福島県民戸惑い」とのユーモアを交えた見出しを取って「WBCの日本初戦を迎えた6日、地上波中継がないことに福島県内で戸惑いが広がった。”大谷の活躍を見たいのに”と福島民報社にも視聴方法の問い合わせが多数あった」と伝えた。
また熊本日日新聞も「WBC、「テレビ放送ないのか」 熊日に問い合わせ相次ぐ」との見出しを取り「日本代表が初戦に臨んだ6日、熊本日日新聞社にはテレビ放送の有無を問い合わせる電話が相次いだ。問い合わせは主に高齢者からで、夕方までに10件以上に上った」と報じている。SNSでは「金を出してまで見たくない」との意見もあった。
Netflixは今回複数の料金プランを用意した。広告付きの最安値は月額890円で、3月18日までは「見逃せない瞬間をワンコインで」というキャンペーンを行い、初月のみ498円という特別価格もあり、ハードルを下げていた。
産業能率大学スポーツマネジメント研究所が開幕前に47都道府県在住の男女1万人を対象にアンケート調査を行ったところ、すでにNetflixと契約している人が17.3%で、WBCが理由で契約が4.9%となっており、盛り上がり次第で契約検討が8.8%、逆にどんなに盛り上がっても契約予定なしが半数以上の68%にものぼった。
大会に入った後の動向は不明だが、日本経済新聞は米調査会社センサータワーの協力を得て行った独自調査で日本での新規ダウンロード数が前年比で4.8倍に伸び、利用者数も2.3倍に増えたと報じている。
それで150億円を投じたNetflixは目標数値をクリアできているのかどうかはわからないが、ここからの米国での決勝トーナメントで侍ジャパンがどこまで勝ち進むかにかかっているのかもしれない。
一方で、地上波では見ることができなかった他のプールの試合もすべてカバーされているというネット配信ゆえのメリットもある。
井端弘和監督も会見で「他の試合を見ることができて助かっている」という話をしていた。
ボクシング界ではすでに地上波が撤退して配信が定番化。
Amazonプライムビデオ、Lemino、UーNEXT、ABEMAが参戦していて、高額ファイトマネーを生み出して、好カードが実現するなどの相乗効果が生まれている。だが、今回のNetflixのWBC独占配信が、野球界に対して、どんな相乗効果を生み出すのかは不明だ。
ちなみにNetflixの独占配信は国内だけで、米国では地上波のFOX系列が中継。一部は有料のケーブルテレビに組み込まれているが、米国で行われている試合の多くを無料で視聴できる。
94歳の球界重鎮が声をあげた日本のWBCの放映問題は、次回大会へ向けての宿題だろう。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

