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レッドブルの角田裕毅がマイアミGPのスプリントで6位入場、予選で10番手のグリッドをキープ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブルの角田裕毅がマイアミGPのスプリントで6位入場、予選で10番手のグリッドをキープ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「ツノダはサイコロを振った」レッドブルの角田裕毅がマイアミGPのスプリントで6位入賞&予選10位でQ3進出を果たした理由とは?

 F1の今季第6戦、マイアミGPのスプリントが3日(日本時間4日)に行われ、レッドブルの角田裕毅(24)が6位に入賞して3ポイントを獲得した。前日の予選1回目(SQ1)で敗退した角田は、最後尾の19番手から早めのタイヤ交換が実って10位でフィニシュすると、さらに他車4台のペナルティーで6位に繰り上がった。海外メディアは「ツノダはサイコロを振った」と、タイヤ交換のギャンブルに成功したと報じた。続けて行われた公式予選では3回目(Q3)へ進出し、10番手から4日(同5日)の決勝に臨むことになった。

 タイヤ交換の決断が功を奏す

 

 失意のSQ1敗退から一夜明けて角田に強烈な追い風が吹いた。
 1周5.412kmのコースを18周と、通常の決勝と比べて3分の1ほどの距離で争われるスプリント。今季では第2戦の中国GP以来、2度目となるスプリントで、角田が6位入賞を果たして3ポイントを獲得した。
 スタート前から大雨に見舞われたレースは、レコノサンスラップでフェラーリのシャルル・ルクレール(27、モナコ)がクラッシュ。約30分遅れで開始され、さらに赤旗中断からセーフティーカー先導で再開される大荒れの様相を呈した。
 前日のSQ1で敗退を喫し、18番手スタートだった角田は、マシンの部品交換によりピットスタートを選択した。この時点で最後尾の19番手に後退したが、他車に先駆けて11周目にピットイン。タイヤをインターミディエイトから、スリックのミディアムタイヤに変えた直後から一気にペースを上げた。
 一時は、ファステストラップも記録するなど、最終的には10位でフィニッシュ。エースドライバーのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)がアンセーフリリースで10秒ペナルティーを受けた関係で、さらに9位へと順位を上げた。
 角田はフラッシュインタビューでこう語っている。
「(タイヤを)スイッチしたタイミングもよかったし、もちろん簡単ではなかったけど、ポイント近くまで(順位を)上げられてよかった」
 もっとも、他車へのペナルティーはまだ続いた。
 8位でフィニッシュしていたハースのオリバー・ベアマン(19、英国)に続いて、4位のウィリアムズのアレクサンダー・アルボン(29、タイ)、さらに7位のレーシングブルズのリアム・ローソン(23、ニュージーランド)の上位勢に次々と5秒ペナルティーが科された結果として、角田が6位に繰り上がった。
 最後尾から起死回生のポイント獲得を導いた早めのタイヤ交換を、英国の専門メディア『TOTAL MOTORSPORT』は次のように報じた。
「レース中盤に路面が乾くと、ツノダがスリックタイヤに交換してサイコロを振った。その後もピットストップが相次いだが、一番早かったツノダが最も奏功した」
 サイコロを振るとは、要は角田がタイヤ交換でギャンブルに打って出たことを意味している。オランダの専門メディア『MOTORSPORT.TOTAL.com』も、角田の判断力をこう称えている。
「ピットスタートを選択したツノダは、スリックタイヤに履き換えた最初のドライバーとなり、レースを追い上げる基礎を築いていた。ミディアムタイヤに換えてからの彼のペースは非常に説得力があり、レース全体が(タイヤ交換に)反応した」
 他車に先駆けてのタイヤ交換は、角田の感覚とチーム側の判断力が合致した証となる。

 

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