
え?6階級制覇は狙わない?井上尚弥が計量パス後に注目発言…「最終目標としてひとつ上のフェザー級にはチャレンジしていきたい」…5階級制覇目となるフェザー級が最後の階級か
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)は3日(日本時間4日)、米ラスベガスのMGMグランドで前日計量に臨み、リミットの55.34キロよりアンダーの55.29キロ、挑戦者のWBA1位ラモン・カルデナス(29、米国)も55.24キロで一発パスした。井上は、直後に計量をYouTubeで配信したESPNの放送席に呼ばれて2度対戦した元5階級制覇王者、ノニト・ドネア(42、フィリピン)らからのインタビューを受けた。両者は4日(日本時間5日)にT-モバイルアリーナで対戦する。

ブックメーカーのオッズは約1対16で井上が有利
たとえ場所がどこであろうと井上はいつもと変わらず最高の肉体を仕上げた。MGMグランドでファンを入れ公開で行われた前日計量。先にパスしたカルデナスに続き、大トリで、計量台に乗った井上はリミットよりアンダーの55.29キロでクリアした。その計量台には、スポンサーに名を連ねているブックメーカー「ドラフトキングス」のオッズが表示されていて、井上はマイナス5000(1.02倍)。勝利した場合は、ほぼ元返しの1.02倍である。一方のカルデナスはプラス1500(16倍)。その道のプロは「カルデナスに勝ち目なし」と予想した。
2人のフェイスオフは14秒。
前日の公式会見後にも2人は、すでにフェイスオフを行っていたが、その際は両者共にサングラスを着用していた。今回は共にサングラスはなし。井上は肩からリング誌の公認ベルト、両手に4本のベルトを持って応じた。
「非常に落ち着いていて、よく仕上がっているなという印象です」
計量後だというのに、十分な食事の時間も与えられず、YouTubeで生配信していたESPNの放送ブースに呼ばれた井上は、カルデナスの印象をそう語った。
続けて海外での計量の雰囲気を聞かれて「ひとつのイベントとしてまったく日本とは別ものです」と返した。
国内で計量が公開で行われることはほとんどない。もちろん直後に放送席に呼ばれることも。公開練習や記者会見も含めて、見事にショーアップ化されているラスベガスでの世界戦のムードを井上はそう評した。
放送席には、過去2度対戦している元5階級制覇王者のドネアがゲストとして招かれていた。2019年11月のWBSS決勝では、2ラウンドに“宝刀”左フックを浴びて眼窩底骨折を負わされ、ほぼ片方の目が見えない状態で戦って、キャリアで3度目となる判定勝利。2022年6月の再戦では、2回TKOでキャンバスに沈めた相手だ。
再会を喜んだドネアが「あなたはいろんなことを成し遂げてきた。あなたをやる気にさせているものは何ですか?」とモチベーションについて質問した。
井上は「まだまだ強くなりたいという気持ちですね」といつもの答えを返した。
女性司会者が、「ここまで(4階級)体重を上げてきましたね。限界として、どこまで上げられますか?」と続いて問うと、「最終目標としてひとつ上のフェザー級には、チャレンジしていきたいと思っています」と回答した。
前日の公式会見で好きな食べ物は「唐揚げ」というアンサーを引き出していた女性司会者は、「フライドチキンを食べれば、間違いなくフェザー級に上げられるでしょう」と突っ込むと、井上はクビを横に振って大爆笑した。