
「現時点では非常に厳しい状況にある」レッドブル最高トップが角田裕毅とフェルスタッペンの差が埋まらないため17戦を残してチームの優勝断念を示唆?!
F1レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表(51)が、エースのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)と角田裕毅(25)の2人の合計ポイントで争うチームの優勝の断念を示唆するような問題発言を行った。オランダのF1専門メディア『GP BLOG』が19日に報じたもので「コンストラクターズ選手権は現時点では非常に厳しい状況にあるので私たちの焦点はドライバーズタイトルの獲得に絞られてくる」と語った。フェルスタッペンは先のエミリア・ロマーニャGPで今季2度目の優勝を飾ったが、最後尾スタートから追い上げて10位に入賞した角田は、ここまで5戦で9位が最高位で絶好調のマクラーレン勢を逆転するのは難しいと判断したのだろうか。英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』も、角田に対して出場ドライバー20人中18位と厳しい独自評価を下している。
「ドライバーズ選手権に焦点を絞る」
レースをまだ17戦も残している状況でレッドブルのトップが事実上の白旗をあげたともとれる問題発言を行った。
2人のドライバーの合計ポイントで争うコンストラクターズ選手権。昨季にマクラーレンに奪われたタイトルの奪回をレッドブルのホーナー代表が、事実上断念するような発言をしたことをオランダのF1専門メディア『GP BLOG』が伝えた。
「コンストラクターズ選手権は現時点では非常に厳しい状況にあるので、私たちの焦点はドライバーズタイトルの獲得に絞られてくる。ユウキを戦いに戻す作業も、もちろん重要になる。決勝ではいいレースをしたが、スタート位置がよければもっと上位にいけたはずだ。今後のレースにおいて、それが実現することを願っている」
同メディアは「マックスとユウキの実力差があまりにも大きく開いている状況で、レッドブルの方針変更に焦点があてられる」と題した記事のなかで、今後のレースへ向けた同代表のコメントを伝えた。
エミリア・ロマーニャGP決勝は、予選2番手だったフェルスタッペンが逆転で日本GPに次ぐ今季2勝目をゲット。優勝者に与えられる25ポイントを含めて、今季のポイントを「124」としてドライバーランキング3位をキープした。
ドライバーランキングは、今季4勝のオスカー・ピアストリ(24、豪州)が「146」でトップ。2位には同1勝のランド・ノリス(25、英国)が「133」と、開幕から絶好調のマクラーレン勢が2強を形成する状況が続いている。エミリア・ロマーニャGPでもノリスが2位で18ポイントを、ピアストリが3位で15ポイントを獲得した。
必然的にマクラーレンは、コンストラクターズランキングでも「279」で首位を独走。ジョージ・ラッセル(27、英国)とキミ・アントネッリ(18、イタリア)が所属するメルセデスの「147」を経て、レッドブルは「131」で3位に甘んじている。
今季のレッドブルは、フェルスタッペンの5年連続ドライバーズ王者獲得とコンストラクターズ王者奪回を目標に設定。開幕2戦を終えてポイントを獲得できず、精彩を欠いていたリアム・ローソン(23、ニュージーランド)に代えて、姉妹チームのレーシングブルズに所属していた角田を日本GPから緊急昇格させた。
しかし、角田が昇格後にここまでの5戦で獲得したポイントは、マイアミGPのスプリントを含めて「7」にとどまっている。最高位はバーレーンGPの9位。角田がポイントを稼げないことで、マクラーレンとの差は日本GP前の「42」から「148」へさらに広がった。
ホーナー代表はこうした状況を受けて、ピアストリとノリスがともに6度ずつ表彰台に立っているマクラーレン勢を、今後の17戦で逆転していくのは現実的ではないと判断したのだろう。今後のチーム方針を王者フェルスタッペンへの援護射撃だけに絞る可能性を示唆したのだ。