アルファタウリの角田裕毅も最終テストを終えて開幕準備を整えた(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
アルファタウリの角田裕毅も最終テストを終えて開幕準備を整えた(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

今日バーレーンGP開幕…勢力図の見えない今季のF1はどうなる?メルセデスの苦戦と角田裕毅の可能性

 いよいよ2022年のF1が18日にバーレーンGPで開幕する。すでに2回の合同テストが行われたが、その勢力図はいまだ見えてこない。

 最後に行われたバーレーンでの3日間のテストで総合トップタイムを記録したのは、昨年のチャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だが、総合2番手につけたのは昨年コンストラクターズ選手権で最下位だったハースミック・シューマッハだったからだ。

 一方、昨年レッドブル・ホンダと熾烈なチャンピオン争いを演じたメルセデスのルイス・ハミルトンは3日間の総合で16番手に終わった。メルセデスがテストで本領を発揮しないのはこれまでもよくあった。それでも昨年のハミルトンは総合5番手でトップのフェルスタッペンから約1秒遅れだった。ところが、今年はトップのフェルスタッペンから2.4秒遅れ。ハミルトンも「いまの僕たちは優勝争いができるペースがない。取り戻すには、数レースかかるだろう」と序盤戦での苦戦を認めている。

 なぜ、昨年まで8年間もタイトル争いを演じてきたメルセデスが、今年これほどまでにテストで苦戦したのか。その最大の理由は、昨年までとは大きくレギュレーションが変更されたことだ。  今年のF1はエアロダイナミクスに関するレギュレーションが全面的に見直された。オーバーテイクを促進させることを目的に、あえてグラウンドエフェクトカーを復活させ、ダウンフォースを安定的に発生させることで、コーナーリング時でも前車に接近でき、バトルを促進させることが狙いだ。

 グラウンドエフェクトカーとは、マシンの底面に空気の通り道を設け、マシン後端のディフューザーから大量の空気を排出することで地面とマシン底部との間に負圧を発生させ、その巨大なダウンフォースによってコーナーをより速く走るマシンのことだ。ダウンフォースは速度が高いほど増えるため、高速コーナーは速くなったが、それ以外ではいくつかの問題を抱えている。そのひとつが、マシンが上下に跳ねるポーパシングと呼ばれる現象だ。

 

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