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レッドブル角田裕毅は英国GPでのFP2で15番手に終わりFP1に登場した17歳のアービッド・リンドブラッドに遅れを取った(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブル角田裕毅は英国GPでのFP2で15番手に終わりFP1に登場した17歳のアービッド・リンドブラッドに遅れを取った(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

角田裕毅が英国GPフリー走行2回目で17歳“神童”リンドブラッドにフェルスタッペンとのタイム差で遅れを取って15番手に沈むも「前戦よりいいスタート地点にいる」と強気姿勢崩さず

 F1の今季第12戦、英国GPが4日にシルバーストーン・サーキットで開幕し、フリー走行2回目(FP2)から登場したレッドブルの角田裕毅(25)は15番手のラップタイムに沈んだ。角田に代わって同1回目(FP1)に出走したルーキー、アービッド・リンドブラッド(17、英国)は14番手。角田は、王者マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)とのタイム差でリンドブラッドの0秒526差に対して0秒666差と遅れを取ったが、今日5日の公式予選へ「先週のオーストリアGPに比べてより良いスタート地点にいると感じている」と強気な姿勢を崩さなかった。

 レッドブル重鎮はFP114番手のリンドブラッドを評価

 角田がF1公式セッションでレッドブル“デビュー”を果たした17歳の神童に遅れを取った。
 英国GPのFP1では角田に代わり期待のリンドブラッドが出走。マシン1台につき1年間に2度、ルーキーを含めた経験の浅いドライバーをFP1に出走させるレギュレーションのもとで、F1参戦に必要なスーパーライセンスが6月に特例発行されたばかりの17歳の神童は、14番手のタイムをマークした。
 ブラジルのF1専門メディア『F1 MANIA.NET』によると、10番手だったフェルスタッペンとのタイム差が0秒526だったリンドブラッドの走りを、レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコ氏(82)がこう称賛した。
「彼はレースペースで一貫性を示し、何よりもフィードバックが明確だった」
 フィードバックとは、角田が出走するFP2以降へ向けて、マシンのセッティングを高めていく上での情報提供を指す。しかし、ルーキーのアシストを受けた角田はFP2で15番手。ラップタイムはリンドブラッドの1分27秒958に対して角田は1分26秒980だったが、フェルスタッペンとのタイム差は0秒666と遅れを取った。
 それでも、角田は強気な姿勢を崩さなかった。
 F1公式サイトが公開したFP2後のインタビュー動画。全体で15番手のタイムに沈んだ角田は、笑みを浮かべながら「大丈夫だ」と胸を張った。
「明日までにやるべきことがたくさんあるけど、シルバーストーンは楽しめている。先週のオーストリアGPに比べて、より良いスタート地点にいると感じている」
 同じマシンを運転しているといっても、気象条件やタイヤ、あるいは燃料の積載量なども異なるため、角田とリンドブラッドのタイムを一概には比較できない。それでもマルコ氏が「速い走りを見せているし、マックスにも肉迫している」と評価していたフリー走行でも、角田は周囲を納得させる走りを見せられなかった。
 角田は前出のインタビュー動画でこう語っている。
「ペースは少しずつ良くなってきた。そのなかでドライビングとマシンのセッティングで改善すべき点がいくつかわかった。明日へ向けて最適化していくだけだ」
 今季限りの解雇だけでなく、英国GP後の“夏休み”期間中の電撃解雇もありうる、といった報道が飛び交う中で、前戦のオーストリアGPは最下位に撃沈した。だが、マルコ氏は「今交代させてもまったく意味がない」と途中解雇の可能性を完全否定した。
「なぜならば、いま現在の裕毅は自信を失っているからだ。彼の実力の高さは、フリープラクティスのセッションで部分的に示されている。なので、公式予選と決勝を通じて、どのようにすれば彼を安定させられるか。彼が週末を通して素晴らしいパフォーマンスを発揮できる方法を、私たちは考えていかなければいけない」

 

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