
「見通しは暗い」「ペナルティがなくとも最下位だった」2戦連続最下位に沈んだ角田裕毅が批判の嵐にさらされる…それでも途中解雇の可能性が低いのは“敗戦処理”扱い?!
2戦連続で最下位に沈んだレッドブルの角田裕毅(25)へ海外メディアから激辛評価が相次いだ。決勝で他車と接触し、10秒のタイムペナルティを科された角田を英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』が「ペナルティがなくても最下位だった」と一刀両断。チーム側が今季途中の角田の解雇の可能性を否定している件に対しても同国のF1専門メディア『F1OVERSTEER』が「後任ドライバーの人生を台無しにする可能性があるからだ」と、マシンの扱いが難しい点を踏まえた消極的な選択だと指摘。角田が“敗戦処理”を任される可能性を示唆した。
「彼のペースは氷河のように変わらなかった」
英国GP決勝から一夜明けても、角田に対する厳しい評価が相次いだ。
同国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』は、決勝翌日に特集している恒例の「グランプリの勝者と敗者」を公開。完走車15台のなかで、断トツの遅さで最下位に終わった角田を「敗者」の一人に選んだ。
「11番グリッドから決勝をスタートさせ、久しぶりに好調な結果を得られるかもしれないと思われた角田への期待は、レース序盤に見舞われた大雨とともに洗い流されてしまった。雨用のインターミディエートタイヤであろうと、天候が回復した後に交換したスリックタイヤであろうと、彼のペースはコース上で最も遅く、まるで氷河のように最後まで変わらなかった」
角田は5日の公式予選で2回目(Q2)の12番手で敗退した。しかし、フリー走行3回目(FP3)で赤旗掲示中にクラッシュを起こしたハースのオリバー・ベアマン(20、英国)が、決勝で10グリッド降格のペナルティを科された関係で、11番グリッドに繰り上がって1周5.891kmのコースを52周する決勝に臨んだ。
しかし、22周目でベアマンと接触。10秒ペナルティを科された角田は、中盤以降はまったくペースを上げられないまま、完走した15台のなかで最後にチェッカーを受けた。今季4勝目をあげたマクラーレンのランド・ノリス(25、英国)に1周遅れとなった惨敗を、同メディアはさらに厳しい論調で伝えた。
「角田はベアマンとの接触に対して、自らに責任があると認めた。実際にはレース中にできたことがあまりに少なかったので、自身に対して厳しい目を向けて謝罪したのかもしれない。正直に言えば、たとえペナルティを科されなくても、彼は最下位でフィニッシュしていた。要は自分自身を救う資質を持ちあわせていなかった」
6月29日に決勝が行われたオーストリアGPでも、角田はアルピーヌのフランコ・コラピント(22、アルゼンチン)と接触。10秒ペナルティを科された末に、このときは優勝したノリスに2週遅れで完走18台中最下位に終わっている。
F1の強豪チームの一角に位置づけられてきたレッドブル直近の20年の歴史で、2戦連続で最下位に終わったドライバーは角田が初めて。さらに英国GPではもうひとつ不名誉な記録が角田に加わった。