
横浜DeNAで藤浪晋太郎は変われるのか?制球難克服テーマを「シンプルに。考えすぎるな」…古巣阪神の佐藤輝明に「力勝負したい」と宣戦布告
マリナーズ傘下の3Aタコマを自由契約になり、横浜DeNAと契約を結んだ元阪神の藤浪晋太郎(31)が18日、横浜市内の球団事務所で入団会見を行った。約3年ぶりにNPB復帰を決めた理由を「藤浪晋太郎という選手が必要だ、という熱を体現していただいた」と横浜DeNAのオファーにあったと明かした藤浪は、対戦したい打者を問われるとリーグの本塁打、打点でトップに立つ古巣・阪神の佐藤輝明(26)と即答。「余裕があれば力勝負がしたい」と宣戦布告した。
「甲子園でブーイングだけはされなければいいな」
間髪を入れずに“サトテル”の名前が飛び出した。
横浜市内の球団事務所で行われた横浜DeNAへの入団会見。上下濃紺のスーツに、チームカラーの青色のネクタイ姿で登壇した藤浪は、対戦が楽しみなチームや選手を問われると「佐藤輝明選手ですね」と即答した。
「リーグで今、おそらく一番のバッターでしょうし、何て言うんでしょう、一番魅力的なバッターだと感じているので、その意味でも対戦は楽しみですね。秘策は特にないですけど、余裕があれば力勝負できればいいな、と。やはり甲子園で投げるのも楽しみのひとつではあるし、阪神との対戦では特に力まないようにしたい。一軍のマウンドでしっかりと結果を残して、もちろん横浜スタジアムでしっかりと投げて、その上で甲子園でも投げるチャンスが巡ってくればいいなと思っています」
遠くアメリカでプレーしながら、古巣の動向はやはり気になった。
阪神時代にともに戦った藤川球児新監督(44)のもと、リーグ全体の貯金を独占する形で首位を独走。そのなかで両リーグを通じて最多となる24本塁打を放ち、打点62でも同僚の森下翔太(24)に2差をつけてトップに立つ佐藤の存在がやはり気になる。甲子園球場のマウンドに立つ自分の姿を想像するように、藤浪は言葉を紡いだ。
「好きな球場のひとつである甲子園で投げるのは個人的にすごく楽しみですし、もちろん全力で抑えていきたい。3年前まで味方だった選手が敵になるのもそれはそれで楽しみですし、ブーイングだけはされなければいいな、くらいの感じで投げたい」
2022シーズンのオフに、ポスティングシステムを申請してアスレチックスへ移籍。シーズン途中でトレードされたオリオールズを含めて、2023シーズンはメジャーで64試合に登板。7勝8敗、防御率7.18だったが、投球回数を上回る83奪三振を記録。2セーブ5ホールドをマークするなど中継ぎとして活躍した。
しかし、2024シーズンにFA移籍したメッツでは、アスレチックスで先発を務めていた時期と同じく再び制球難に陥る。一度もメジャーのマウンドに立たなかった藤浪は、今シーズンからマイナー契約で加入したマリナーズ傘下の3Aタコマでも、21試合に登板して2勝1敗4ホールド、防御率5.79と振るわず、招待参加した春季キャンプを通してメジャー昇格の機会を得られないまま、6月17日に自由契約となった。
この一報を受けて、すぐに動いたのが横浜DeNAだった。藤浪の入団会見に同席したチーム統括本部の萩原龍大本部長が経緯を明かす。
「春先から外国人を中心にピッチャーの補強にチャレンジしていたなかで、藤浪選手がいわゆる自由契約になりました。もともとウチのリストにずっと入っていた関係もあって、それだったら獲得にいこうと意思決定しました」