
「不適切なジョーク。ショウヘイに謝罪すべきだ」大谷翔平のESPY授賞式でコメディアンの司会者が“水原一平事件”を引き合いに出したブラックジョークが波紋を広げる
ドジャースの大谷翔平(31)が16日(日本時間17日)、米スポーツ局「ESPN」が選ぶ恒例の年間表彰「ESPYs (ESPY賞)」で5年連続5度目の「最優秀MLBプレーヤー賞」を受賞したが、その表彰式で司会を務めたシェーン・ギリス氏(37)のブラックジョークが波紋を広げている。人気のスタンダップコメディアンでもある同氏が、紹介の挨拶で元通訳で米刑務所に収監されている水原一平氏(40)を引き合いに出したことが物議を醸し、SNSでは「ユーモアのセンスがない」「不適切なジョーク。謝罪すべき」などの批判が殺到する異常事態となった。
5年連続で「最優秀MLBプレーヤー賞」を受賞も
いわゆる洒落では済まないスピーチだった。
ロサンゼルスのドルビーシアターで行われた「ESPYs (ESPY賞)」の表彰式。5年連続で「最優秀MLBプレーヤー賞」を受賞した大谷は、その式典には欠席したが、司会を務めたスタンダップコメディアンのギリス氏が、その名前を読みあげる際にこう紹介した。
「大谷翔平は、今夜ここに来られなかった。いや〜彼の通訳が“大谷が来る”ってことに賭けてなきゃいいけどな。とにかく翔平は一世一代の才能だ。彼みたいにいくつものポジションをこなせる人はいない。ピッチャー、バッター、そしてブックメーカー(賭け屋)としてもね」
違法なスポーツ賭博で作った借金を返済するため、大谷を騙して、その口座から総額で1700万ドル(約24億6000万円)近くの大金を不正送金し、銀行詐欺罪などの罪で、米ペンシルべニア州の刑務所に収監された元通訳の水原氏の事件を引き合いに出して笑いを誘ったのだ。だが場内は笑いと共にブーイングが飛び交った。
ギリス氏の物議を醸した発言は、これだけではなかった。NFLのピッツバーグ・スティーラーズのQBアーロン・ロジャースが新型コロナウイルスのワクチン接種に消極的だったことをからかい、女子プロバスケットのインディアナ・フィーバーに所属しているスーパースターのケイトリン・クラークには、「WNBAを引退したら、ワッフルハウスで働くことになるだろう。彼女が一番好きなこと――黒人女性と殴り合いを続けるためにね」と、差別的なジョークを飛ばした。観客の中には、笑う人もいたが、不快そうな様子を見せる人も大勢いたという。
今回で33回を数え「米スポーツ界のアカデミー賞」とも呼ばれる「ESPYs」で、ギリス氏が口にした数々のブラックジョークは、海外メディアやSNSで物議を醸した。