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大谷の「50‐50」達成でジャッジとの比較論が激化してきた(写真・写真:USA TODAY Sports/ロイター/AP/アフロ)
大谷の「50‐50」達成でジャッジとの比較論が激化してきた(写真・写真:USA TODAY Sports/ロイター/AP/アフロ)

「大谷がジャッジよりベター」「彼の存在がジャッジの記録価値を高める」“50‐50”偉業達成で2人のMVP候補の比較論が激化

 ドジャースの大谷翔平(30)が前人未到の「50本塁打―50盗塁」を成し遂げて「52―54」まで記録を伸ばした。議論のあったナ・リーグのMVP獲得をほぼ確実にしている。一方でア・リーグのMVP候補でありながら9月に大スランプに陥っていたアローン・ジャッジ(32)も刺激されたかのように21日(日本時間22日)のアスレチックス戦で5試合ぶりの54号を放った。米メディアや関係者、ファンの間ではワールドシリーズで対戦する可能性も出てきた2人の比較論が再び激化してきた。

 ジャッジは9月にわずか3本塁打と大失速

 リーグが違うため、タイトル争いには関係ないが、ジャッジは大谷の「50‐50」の歴史的偉業に刺激を受け、自らのアイデンティティである本塁打で1本差に迫られたことへの焦りが出たのだろうか。21日のアスレチックス戦。6-0で迎えた6回走者なしの場面で、変化球を豪快に振り抜き、バックスクリーンの左へ130mの特大弾を叩き込んだ。5試合ぶりの54号ソロ。全米では大谷の大記録を引き金に2人の比較論が再び活発化してきた。
 米メディアの「The Wright Way Network」は「大谷がジャッジよりもベターなシーズンを送っている」との見出しを取り「大谷とジャッジが歴史的なシーズンを過ごしていることは間違いないが、彼らが共に素晴らしいシーズンを過ごしているとは言えない。一人(ジャッジ)はもっと良くなければならない。よりベターなシーズンを送っているのは大谷だ」と主張した。
 “大谷>ジャッジ”の根拠は、両者の残しているデータだ。
 同メディアが比較した数字で、ジャッジが大谷を上回っているのが打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価したチーム貢献指標のWAR。ジャッジが10で大谷が8.1。さらに本塁打数は、54-52で2本、打点は137-122で15点、二塁打は35-34で1本、ジャッジがリード。同メディアは示さなかったが打率もジャッジが.321で大谷の.297を上回っている。
 一方で大谷は1番を打っている影響もあり、打数で606ー542で63、安打数が180―174で6本、三塁打で7-1で6本、そして塁打数も384ー373で11もリードしている。そして同メディアが注目したのは、大谷が54個でジャッジ10個の盗塁数。 
 同メディアは「大谷が三塁打、二塁打を打つのと同じくらいの数だけスコアリングポジションに立っていることになる」と、そのチーム貢献度を評価した。
 四球数はジャッジが127個で、大谷78個と大きく違い、相手投手が勝負してくれている機会も違うのだが、実際、得点圏に進んだ機会で言えば、大谷がジャッジを上回っている。得点も大谷が126点でジャッジが116点だ。
 さらに同メディアは9月のジャッジの大失速を問題視した。9月は3本塁打。8月25日のロッキーズ戦の52号から、9月13日のレッドソックス戦の53号まで16試合本塁打がなく、9月の打率は.257で、5、6、8月の月間12本のペースから大幅にダウンした。
「ジャッジは自身の62本シーズンの最多記録を更新するペースで打っていたが、9月に歴史的な失速をした。もし9月に入ってもプレーオフに向けて調子を上げていたなら(大谷が上の)話は逆転していただろう」
 同メディアは「いずれにせよ、NLとALの2つの歴史的なシーズンとなった。彼らは2人ともそれぞれのリーグで満場一致でMVPになる。もしヤンキースとドジャースがワールドシリーズで対戦したら非常にエキサイティングだ。リーグ最高の2人の選手が大舞台に立つことは、MLBの視聴率を大いに助けるだろう」とまとめた。
 今季のメジャーリーグの最高視聴率は、FOXスポーツが中継した6月8日のヤンキース対ドジャース戦で、約291万人が視聴している。

 

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