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ベルギーGP公式予選で角田裕毅が復活の7番手をゲット(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
ベルギーGP公式予選で角田裕毅が復活の7番手をゲット(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「新フロアのマシンに大きな違いを感じた」なぜ角田裕毅はベルギーGP予選でレッドブル昇格後最高位の7番手をゲットできたのか…メキース新代表の決断と日本人ドライバーの適応力

 F1の今季第13戦、ベルギーGPの公式予選が26日、同国のスパ・フランコルシャンで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が5月のマイアミGP以来、7戦ぶりに3回目(Q3)へ進出。さらにレッドブル移籍後で最高位となる7番グリッドを獲得した。12番グリッドからスタートしたスプリント決勝は11位に終わったが、直後にチームがアップデートしたマシンを投入。ぶっつけ本番だったが「本当に大きな違いを感じた」と手応えを感じた角田は今日27日の決勝へ「あとはポイントを獲得するだけ」と上位入賞を目標に掲げた。

 リスクを冒して“ぶっつけ本番”でアップデートしたマシンを投入

 3時間あまりの間に角田が鮮やかな変貌を遂げた。
 今季第7戦のエミリア・ロマーニャGPを皮切りに、6戦続けて2回目(Q2)を突破できていない公式予選。約3週間の中断を経て開催されたベルギーGPでも、1回目(Q1)の残り1分半という瀬戸際で敗退圏内の16番手だった角田は、最後のアタックで1分41秒840をマーク。12番手へ浮上して何とかQ1を突破した。
 しかし、15台で争われるQ2に入ると、これまでとはまったく異なる速さを見せた。最初のアタックで1分41秒245をマーク。この時点で2番手につけると、5番手で臨んだ最後のアタックを途中で中止。新品のソフトタイヤを温存させる余裕を見せて、5月第1週のマイアミGP以来、7戦ぶり今季6度目のQ3進出を決めた。
 しかも、3番手につけたエースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)とのタイム差は0秒294。目標として課されてきた「0秒3」を切った角田は、Q3の最後のアタックでも1分41秒284をマーク。レッドブル移籍後で11戦目にして最高位となる7番グリッドで今日27日の決勝へ臨むことになった。
 いったい何が角田の走りを変えたのか。その答えは、公式予選直前に投入されたアップデートされたマシンにある。F1公式サイトが映像で伝えたフラッシュインタビュー。角田は、晴れやかな笑顔を浮かべながら、新型フロアが急きょ装着されたマシンへ「とても満足している」と何度も声を弾ませた。
「予選直前にアップグレードを持ってきてくれたチームに感謝しているし、マシンに本当に大きな違いを感じた。まだまだ改善の余地はあるけど、フロア車体の下側にある空力パーツの一部」が変わっただけでも、このポジション(7番グリッド)に立てるほど大きな違いがあった。メカニックのみなさんがやった仕事の量は信じられないほど多かったし、予選に間に合わせてくれたことがまだ信じられない。その意味でも、メカニックのみなさんを含めてチームに大きな感謝を伝えたい。あとはポイントを獲得するだけだ。明日が本当に楽しみになってきた」
 直前に行われたスプリント決勝は、旧型のバージョンのままのマシンで、これまでと同じく適応に苦しみ、フラストレーションを溜め込む角田の姿が目立つ展開となった。
 12番グリッドでスタートした角田は、すぐに11番手に順位をあげたが、これはアルピーヌのピエール・ガスリー(29、フランス)のマシントラブルによるもので、1周7.004kmのコースを15周回る決勝は結局、このままの順位で終えた。
 前を走るレーシングブルズのリアム・ローソン(23、ニュージーランド)との差が大きく開き、逆に12番手のメルセデスのジョージ・ラッセル(27、英国)に追われる展開。第2戦の中国GP、第6戦のマイアミGPに続くスプリントでの入賞及びポイント獲得を逃した角田は、フラッシュインタビューで落胆した表情を浮かべていた。

 

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